SAPIX講師が語った塾高入試の裏…”エリート中のエリート”慶應高校生の最強人生に嫉妬する一般入試の可愛そうな大学OB
107年ぶりの全国高等学校野球選手権大会で優勝した慶應義塾高校。同行OBを中心とした異様な盛り上がりっぷりや、アルプス席から相手校に圧力をかけまくる大応援などに注目が集まる。その様子を苦虫を噛み潰したような顔で見つめるのはタワマン文学作家で慶應義塾大学OBの窓際三等兵氏だ。大学から入った窓際氏は大学時代、”エリート慶應生”である慶應高校からエスカレーターで上がったきた学生との間に見えない壁を感じてしまった。「できれば将来不幸な目にあってほしい…」。そんな”塾高生”のどこか憎めないお茶目の生体と、塾高生の倒し方を窓際氏が愛を持って解説するーー。(みんかぶプレミアム特集「慶應義塾高校 強すぎる私学」)
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大学から入学した外部生から嫌われる内部生(塾高生)
甲子園を舞台に、慶應義塾高校フィーバーが起こっています。エンジョイベースボールの掛け声の下、慶應独特のブラスバンドの応援を受けて髪の毛をサラサラなびかせた若者がグラウンドを駆ける姿は実に爽やかで、石を投げれば慶應卒に当たる大手マスコミは大喜び。明らかに角度をつけて塾高について報道しており、ハンカチ王子率いる早実以来のはしゃぎぶりはお茶の間の関心とともにネットでは多くの人々から反感を買っています。
さて、慶應義塾高校、通称「塾高」ですが、慶應という学校法人のDNAを最も色濃く受け継いだ存在だと聞いたことがあります。1学年700人以上、3学年で約2200人の男子がひしめき合うマンモス校で、校則はほとんどありません。それなのにほぼ100%の卒業生が慶應義塾大学に進学できるとあって、かなり高いレベルで進路と自由のバランスがとれた学校といえるでしょう。
慶應大学の入学式、固まって塾歌を歌っている連中はだいたい塾高出身者です。日吉キャンパスの中庭で4月からデカい顔してベンチに座ってるのも塾高出身者です。高校から(普通部出身者は中学から)日吉で過ごしている彼らにとって、日吉キャンパスは自分たちの庭。大学から入学した外部生から内部生が嫌われる最大の理由でもあります。
文武両道で向かう所敵なしに見える塾高生の弱点
毀誉褒貶ある塾高ですが、私の友人の塾高OBは皆口を揃えて「良い学校だった」と振り返っています。部活動に精を出す生徒もいれば、高校時代から麻雀にハマる学生、オタクもいれば文化祭でナンパに勤しむ若者も混ざっているといった具合で、見事にやってることがバラバラで本当に同じ学校なのか、というレベルで多様性が広がる学校であることがわかります。バスケ部が二つ(通称バスA、バスB)があるほか、自動車部(通称シャブ)があったりと、ほかの学校で聞いたことない独特の文化を育んでいます。