米・共和党のドン「こうすれば日本の株は確実に上がる」日本経済3つの処方箋…岸田の努力で国民生活が困難になる
「企業が衰退する原因をつくっているのは、政府それ自体だ」
みんかぶマガジンの単独インタビューでそう語ったのは、共和党に多大な影響力を持つ保守系ロビー団体の代表、グローバー・ノーキスト氏だ。
かつて裕福だったはずの地域や国が衰退してしまった理由はなにか。そこに日本経済復活の処方箋を見いだせるのではないか。作家の小倉健一氏がアメリカ政府の貿易政策、経済政策に深く関与してきた「共和党のドン」に直撃した。連載全3回の最終回。
アメリカのジャパンバッシングで、結局、アメリカ経済は潤わなかった
ノーキスト氏は、レーガン大統領の要請を受けて1985年に設立した納税者擁護団体「全米税制改革協議会」(ATR)の議長である。ATRは、政府の規模とコストを制限し、連邦、州、地方レベルでの増税に反対するために活動している。ATRは「納税者保護誓約書」を組織し、連邦および州議会の全候補者に対し、すべての増税に反対することを米国民に文書で確約するよう求めている。ノーキスト氏は、あまたある保守系の団体をまとめ上げていき、強力なネットワークを構築していった。トランプ政権下では「トランプの影に、この男あり」とまで言われていた。来日したノーキスト氏をインタビューした。
――ワシントンでは、税制に精通している存在としても知られ、トランプ前大統領も、あなたのことを「Tax guy(=税の男)」と呼んでいたと聞きます。あなたはなぜ減税を訴えているのですか。
私が大学生のとき、非常に日本製品が売れていて、アメリカ人は、日本に対して脅威を覚えていた。どうやって日本の製品をブロックしようかということが組合であったり多くの場所で話し合われていた。日本に対してさまざまな貿易の障壁をつくったのですが、そのせいで、アメリカ人は働かなくなってしまった。貿易の障壁をつくることで、自分たちの産業や雇用を守ろうとしたのかもしれませんが、経済がよりよい方向に向かうことにはつながらなかった。長期的にみて、まったく得策ではない。