ああいえばこういう…神宮外苑「再開発反対派」が都合よく無視する「樹木はもともと人工林でこれまでも伐採」していた事実
元プレジデント編集長で作家の小倉健一氏は「神宮外苑再開発反対派の主張は的外れだ」と主張するーー。
神宮外苑の森は、自然のものではなく、最初から人工林だ
なぜ、神宮外苑のイチョウ並木が美しいのかといえば、ずっと人間の手によって守られてきたからだ。あるときは植樹し、生長を待ち、場合によっては伐採する。人工林であるからイチョウ並木は美しいのである。原生林には原生林の美しさがあろうが、少なくとも、神宮外苑の森とは誕生から今日まで、ずっと人工林であり、これらを「守る」という意味は、伐採はダメということにはならないのである。
明治神宮外苑地区の再開発事業について、サザンオールスターズの桑田佳祐氏を始めとして、反対派の印象操作が続いている。反対派の印象操作を真に受けていては、せっかくの歴史と自然の再生事業がストップしてしまう。今、何が起きているのか。反対派の主張を紹介しながら、実態を述べていこう。
樹齢100年を超える樹木はこれまでも伐採されてきた
朝日新聞デジタルへ投稿された、平尾剛氏(スポーツ教育学者・元ラグビー日本代表)のコメントは下記のとおりである。
「寿齢(原文ママ)100年を超える樹木が伐採され、『建国記念文庫の森』もなくなり、あの美しいイチョウ並木も枯死する恐れがあるこの計画のどこに、『先人たちの思いを受けついで、100年先の未来につなげる』意思があるのか、私にはわかりません。もし本当にそう考えているのなら、計画を見直す以外にその意思を示す方法はないと思います」「秩父宮ラグビー場は1947年に建てられました。当時、ラグビー協会の会長だった香山蕃氏がラグビーを普及させるために有志を募り、彼らが私財を投げ打って建てたんです。それ以降、日本ラグビーの聖地として今日まで愛されてきた、いわば日本ラグビーを象徴するスタジアムなんです。それを軽々に取り壊すなんて、とんでもないことです。ここでもまた、先人たちの遺志が踏み躙られています。」(2023年2月19日・原文ママ)