爆速手のひら返し…ジャニーズ”スポンサー離れ”の裏で上場企業に求められる「人権関連情報開示」JAL、キリン…
ジャニーズ事務所所属タレントを起用するのを大企業に問われる社会的責任
故ジャニー喜多川元社長の性加害問題は、ジャニーズ事務所所属タレントを起用する多くの大企業に社会的責任を問うている。事件の本質は「未成年者への犯罪」であり「人権侵害」だ。日本企業特有の「ほとぼりが冷めるのを待つ」姿勢では、消費者や株主、そして広く社会の信頼を失ってしまう。
「ジャニーズ事務所のタレントを広告や番組に企業している企業の株式はダイベストメントされないのだろうか」。筆者が最近、よく受ける質問だ。ダイベストメント(divestment)とは投資家が保有する銘柄を、単なる価格の高安以外の理由に基づいて売却すること。「投資撤退」などと訳されることが多い。このマガジンでも取り上げたESG(環境・社会・企業統治)投資家の文脈で言及されることが多く、環境破壊に手を貸す企業や兵器産業の株式などが対象になる。「性加害もれっきとした人権侵害なのだから、明らかにESGのSに反している」という指摘は、筆者もその通りだと思う。
ダイベストメント(投資撤退)への警戒は日本航空やアサヒなどにも広まっているようだ
もちろんESG投資の目的は一義的にはリスク管理なのであって、必ずしも社会正義の実現ではない。理念と市場の現実は往々にしてことなる。では今、株式市場で実際に起きていることを見てみよう。