支持率過去最低の26.9%!鬼の岸田政権…「減税政策は悪」と世論誘導するマスコミの大罪とインチキ

新聞社やテレビ局などのマスメディアが実施する世論調査には複数あるが、特定の方式を採用することによって、偏った年齢層からのサンプルが集まることがあるという。国際政治アナリストの渡瀬裕哉氏がこの「世論調査」についての懸念点を指摘する――。
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「給付金を望む人」が減税を望む人よりも多いというメディア調査結果
10月30日に公表されたANN世論調査に基づき、テレビ朝日が「岸田内閣支持率 過去最低の26.9% 『所得減税』評価しないが56% ANN世論調査」と報じた。そして、岸田政権による所得税定額減税を評価しない理由として「政権の人気取りだと思うから」「財政への懸念があるから」などの回答が挙げられていた。
この調査結果だけを見ると、国民がまるで「減税政策そのもの」に反対しているように見えてしまう。しかし、筆者にはこの調査結果は肌感覚として疑問が残った。はたして、国民の過半数が「減税政策」を本当に評価していないのだろうか?
たしかに、場当たり的な思い付きによる岸田政権の減税政策に対する国民の信頼が低いことは容易に想像がつく。だが、上記の報道は見方によっては、消費税軽減税率の対象の恩恵を受けている大手メディアが財務省におもねって「減税政策自体が悪である」という結論に世論誘導しようとしているようにも見える。
同世論調査に関する疑念の正体は、「住民税の非課税世帯などを対象に、給付金を配ること」への賛否の数字に表れている。同調査では、給付金を「評価する」が41%、「評価しない」が48%となっている。つまり、同調査の回答者は所得税減税よりも給付金を望む人が多いということだ。しかし、本当に給付金を望む人は減税を望む人よりも多数なのだろうか。
大手メディアが採用する調査方式は著しく高齢者に偏っている
大手メディアの世論調査はRDD方式を採用している。RDDとは、「ランダム・デジット・ダイヤリング(Random Digit Dialing)」の略で、コンピューターで無作為に数字を組み合わせて番号を作り、電話をかけて調査する方法である。かつては固定電話のみを対象に電話番号を組成していたが、時代の変化によって携帯電話の普及に伴い、現在では携帯番号も組成対象となっている。