「補助金をもらうことが議員の仕事ではない!」金ばかりせびる居眠り議員に「恥を知れ!」と激怒した41歳安芸高田市長が婚活事業を廃止した理由

議会中に居眠りをしていた市議会議員に「恥を知れ!」と叱咤するなど、地方行政の旧弊を打破しようと改革を推し進めてきた安芸高田市長の石丸伸二氏に、作家の小倉健一氏が地方行政の実態を聞いた。連載「孤高のリーダー 元アナリスト市長の安芸高田戦記」全11回の1回目。
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「民間がいつも正しい」わけではない
2019年の参議院選挙をめぐって、衆院議員の河井克行・元法相と妻の案里参院議員が公職選挙法違反(買収など)で起訴された事件で、現金を受領した安芸高田市長の辞職した。その辞職に伴う市長選(2020年8月)で当選したのが、現在、安芸高田市長を務める石丸伸二氏だ。対立候補で行政の継続性を訴えた前副市長を破っての当選だった。石丸市長は、京都大学経済学部を卒業後、市長選出馬まで三菱UFJ銀行に勤務していた。三菱UFJ銀行では、姫路支店、企画部経済調査室などで勤務し、為替アナリストとして米ニューヨークに4年半駐在した。
ーー就任して3年が過ぎました。石丸市長のかつて勤務していた民間企業と比べて、安芸高田市の行政組織は、何が違いますか。
石丸市長
民間企業は、営利を目的としているので、良くも悪くもスピードが早い。一方で、行政組織は、良くも悪くもスピードが遅い。この違いはあると思います。
ーーかつて大阪市長を務めていた橋下徹さんは、就任前の選挙演説で「大阪市役所は金をむさぼり食うシロアリ。放っておいたらシロアリに全部食われちゃう」と過激に表現して、役所の体質を批判しました。
石丸市長
うーん。行政や公務員が持っている課題については、もちろん認識しています。ただそれは、さきほど「良くも悪くも」と表現したように、必ずしも「民間がいつも正しい」ということではないと思っています。行政組織と民間組織では、立場が違うのです。私も役所の人に「効率化、効率化」と口を酸っぱくして言っていますが、行政組織の効率化を極限まで追求していくことはできません。もしかすると、それはやってはいけないことかもしれない。