急激な過疎化が進む安芸高田市に石丸市長「私が市長に再選したら、過疎化を止める自信はある」「あと2、3人、反対派の議員減れば議会は正常化」

石丸伸二市長が、改革を進めようとする安芸高田市(人口約2万6000人)では、急激な過疎化が進んでいる。過疎化を止めるアイデアはあるのか。石丸市長に作家の小倉健一氏が聞いた。連載「孤高のリーダー 元アナリスト市長の安芸高田戦記」全11回の4回目。
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急激な過疎化が進む安芸高田市
2022年3月25日に公開された「安芸高田市 企画振興部 政策企画課」による『現況分析・課題整理について』という報告書を紐解いてみよう。
安芸高田市の人口は、1970年から減少を続けていて、2040年には高齢者の人口が現役世代(生産年齢)人口を上回り、高齢化率は、2025年には35.8%、2045年にはは42.9%になると推計されている。2020年における安芸高田市の高齢者の割合は36.9%で、同じ年の全国平均は23.8%と比べて突出して高い。こうしたデータを元に、報告書は、次のような課題をあげている。
「人口減少により、一定の人口を必要とする生活サービス施設の維持や生活利便性の確保が困難となる可能性が あり、対策が必要である。特に高齢者は日常生活における移動が困難となることが予想され、高齢者が安全・安心・快適に生活できるような 施設の立地、アクセス環境の整備が必要となる。 また、産業の担い手不足が見込まれ、活力の創出に向けた対策が求められる」(同報告書)。
石丸市長が抱える問題は、全国の過疎地域に共通している問題だ。地域には、産業もなく、観光資源も乏しく、働き手も働く仕事も少ない。こうした中、石丸市長は、目玉事業を打ち出す考えはなく「今やるべきはマイナスの作業。身の丈に合った財政運営に転換する」「4年の任期中に『削減した代わりはこれ』というものを市民に分かるように示したい」(2021年8月12日・中国新聞)として、異なる色の稲で絵を描き、展望台を設けて観光客を呼び込む「田んぼアート事業」(これまでに1億円以上の税金を投入)、人口減少や少子化対策で推進していた結婚相談事業のほか、中学生の海外派遣や花火大会など16事業を中止、計5600万円分を削減した。
反対派の議員が2、3人いなくなれば、議会は正常化できる
ーー石丸市長、市長任期も残り一年を切り、来年は市長選挙があります。また、市長選挙のあとには市議会議員選挙があります。新しく政党をつくる考えはないということでしたが、議会の反対勢力の切り崩しなくして、改革を進めることができるのでしょうか。
石丸市長
新しく政党や会派を私がつくることはありません。ただ、自分のできることは精一杯やり、問題提起をすることで市民の意識が改まるのを願っています。市民の中で、これまでの投票行動を変えなくてはと感じてくれたり、もっと積極的に自分で立候補しようとする人がでてきたら最高です。議会の正常化には、あと2、3人、議会の構成が替わればそれで完了することになるのです。そうなることを願ってますし、僕は市民の中にそういう行動を起こしてくれる人がいると信じています。