去年は”申告漏れ”のインフルエンサー9人に「8500万円」追徴課税…SNSを監視する税務署、「バレにくい」申告漏れとは
今年も確定申告がスタートした。言うまでもなく、「納税」は国民の義務である。だが、自民党派閥の裏金問題を受けて国民には「所得を隠していた政治家たちはほとんどお咎めなし。きちんと納税するのがバカバカしい」との怒りが渦巻く。SNSでは「#確定申告ボイコット」とハッシュタグをつけた投稿が拡散され、税務署や相談会場などでクレームが相次ぐ状況だ。ただ、経済アナリストの佐藤健太氏は「釈然としない気持ちは理解できるが、きちんと申告しなければ脱税や所得隠しにつながる。我が国の税務当局は優秀で所得はバレるので、納税の義務を果たさなければペナルティーを受けることになる」と注意喚起する。
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「納税するかは個人の自由なのか」「なぜ議員を税務調査しないのか」
「疑義を持たれた政治家が政治責任を果たすという観点から判断されるべきだ」。国税庁を所管する鈴木俊一財務相は2月22日の衆院予算委員会で、派閥からパーティー券収入のキックバック(還流)を受けて裏金化していた議員が所得として納税すべきか否かを問われ、議員個人が判断すると受け取れる発言をした。
もちろん、納税は憲法で定める国民の義務だ。野党は裏金問題が確定申告に与える影響を懸念するが、鈴木氏は「国民が大変不安を持っている。あるいは怒りを持っている」としながらも踏み込んだ見解は示さなかった。岸田首相も同26日の衆院予算委で「政治資金については政治家の関連政治団体、政治家個人のいずれに帰属するかによって課税関係が異なる」「法令等に則り、適切に取り扱われることが必要であると認識している」などと述べるだけだ。