「安倍銃撃は必然」「世界平和に無益」…中国メディアの”袋叩き”と露骨に祝う国民の民度
安倍元首相は核心的な問題を解決しなかった
安倍晋三元首相銃撃事件について、中国メディアはどう見ているだろうか。中国の大手紙「環球時報」によると、清華大学国際関係学部の劉江永教授は、こう語っている。
「第二次安倍政権が中日関係にマイナスの影響をもたらしたことは、間違いありません。後継者の対中政策にも作用し、中日関係の健康的な発展に影響しました。7年8カ月間続いた第二次安倍内閣では、国内では憲法改正を目論み、対外的には“自由で開かれたインド太平洋”を持ち出した。両者は相互に連関しています。日本はもはや、中国とともに協力し合ってウィン・ウィンを目指すことはなくなったのです」
中国にとってはマイナス面が多かったと分析した。
「中日間の核心的な問題は解決せず、実利的な協力関係も役立ちませんでした。2018年にトランプ政権は中国に対し強硬な政策を取りましたが、安倍政権及びその後の日本政府の対応は場当たり的で、中米対立から漁夫の利を目指すようになっていったのです」
ブロガー「最初から最後まで、徹底した民族主義者だった」
また、ネット上の個人ブログでは、次のような文言もあった。
「安倍氏が日本のために懸命に働いたのは間違いないが、それは日本の首相として職責でもある。歴史問題においては、首相として果たすべき責任を果たさなかったという面は確かにある」
日本国内では安保法制を制定し、経済政策に注力するなど尽力したことを認めつつ、
「安倍氏についての評価する際、客観的に公平に評価することはとても難しい。いわば、『功績相半ばする』といったところだろう」
と述べた。中国から見れば、日本は日中戦争の「加害者」であり、中国は「被害者」。中国が経済的に大きく発展した現在でも、この前提が変わることは決してないようだ。
「2020年8月の第二次大戦終結75周年の際、安倍氏は日本各地やアジアの戦場で被害に遭った人々や、広島・長崎の原爆被害者への労いに全力を注いだ。だが、日本が主体的に戦争を発動したことや、それによって他国の国民に甚大な被害をもらたしたことは決して口にせず、歴史的教訓を汲み取ることもなかった。その意味では、彼は最初から最後まで、徹底した民族主義者だったと言える」
安倍元首相の死去を露骨に祝うような投稿
すでに日本のツイッターなどでも散見されるように、中国のネット上では、安倍元首相の死去を露骨に祝うような投稿もある。ネット上に過激で露悪的な文言が流れるのは世界共通とはいえ、日本人としては受け入れ難いと感じる人も多いだろう。