敗色濃厚・プーチンが吠えた「西側諸国は、純粋な悪魔崇拝であり、性的に倒錯」全舞台裏
ウクライナの民間インフラへの攻撃…占領から勝利に目的を変えたロシア
ロシア軍は訓練も補給も不十分で、兵士が戦意を喪失しているケースが多いことが明らかになってきた。ウクライナ戦争に関するありとあらゆる証拠が、ロシアの敗色を裏付け始めている。
数に勝るロシア軍は、2月24日の侵攻後、迅速な勝利に失敗。最近数週間は、ウクライナが地上戦で勝利を続けていて、ロシア軍は士気が下がり、消耗しきっている。ウクライナ軍高官のオレクシイ・フロモフ氏は、先週、ウクライナ軍がハリコフ、ドネツク、へルソン地域で前進する中で、9月下旬から約120の集落を奪還したと述べた。
敗走を重ねるロシア軍は、占領下のへルソンの住民を避難させるための措置をとったと発表したが、ウクライナの前進に直面したロシア軍の苦戦を象徴する出来事となった。戦争研究所(ISW)によれば、ウクライナ軍は主にロシア軍を東に押し出すことに注力しているという。
ロシア軍は、10月10日、ウクライナ全土に空爆を行った。民間インフラ(エネルギーインフラの30%相当)に損害を与え、一部地域で停電が発生した。これまでロシアは、ウクライナの民間インフラをあまり標的にしてこなかった。「この数カ月間、ロシアの目的はウクライナを所有することではなく、破壊することであった」とCNN(10月14日)は報じている。つまり、ウクライナの占領が目的であれば、占領に必要な民間インフラを攻撃するのは理にかなったことではない。占領継続にそのインフラは必要であるからだ。しかし、占領ではなく戦場での勝利が目的なのであれば、建物を壊し、あたり一面を焼野原にして見渡しをよくしたほうが、ウクライナの「地の利」を消すことができる。
現状のロシア軍は、少しでもウクライナの士気を萎(な)えさせ、目の前の戦場で勝利を収めることで手一杯なのだ。しかし、CNNによれば、ロシア軍によってこのような空爆が繰り返される可能性は、「ロシア軍にその能力がないことから低い」のだという。もう目標に対して精密に空爆できる兵器がロシアにはあまり残されていないのだ。
動員兵たちは「食料も水も持っていない」…厳冬の地でウクライナ軍の反撃が激化
今後の展開は、厳しい冬の到来だ。天気情報サイト「Weather Spark」によれば、ウクライナの冬は「長く、凍えそうに寒く、風が強く、ほぼ曇り」だという。1月の平均最高気温は-1℃、平均最低気温は-6℃だ。