竹中平蔵「私に日韓トンネルとのつながりはない」「日本のマスコミにはジャーナリズム魂がない」
民主主義には「正しい情報を持った国民」が必要
安倍晋三元首相の国葬から2カ月ほどたちました。安倍元首相の国葬は執り行われて然るべきであったと思っていますし、国葬の内容もそれは素晴らしいものでした。
しかし、安倍元首相の死から国葬までの間、マスコミが非常に偏った報道をしていたのは事実だと思っています。もし安倍元総理が凶弾に倒れた1週間後、国民が非常に心を痛めている間に国葬をしたとしたら、何の問題もなかったと、みなさんは思いませんか。
ところが国葬まで80日も空いてしまったのです。残念ながら、社会には悪意を持って政府や大企業を批判したいという「フラストレーション」を持っている人たちが一定割合います。そういう人たちに80日もあげたことで、批判の隙を与えてしまったのだと思っています。
メディアとは、常に大きくて強いものを叩くものですが、日本のメディアはその傾向が特に強いと思っています。しかしそれだけが仕事ではないはずです。
ジャーナリストの田原総一朗氏はシニカルにこう言っていました。「一般のメディアは『批判さえすれば安心だ』と思っている」と。何かを褒めたとして、あとから褒めた対象に何かしらの問題が出てきたら、褒めた責任をメディアは問われてしまう。しかし、批判さえしておけば自分の身は保たれるわけです。
メディアの役割は重要です。民主主義は民意が重要だからです。ではその民意が何によって影響を受けるかというと、メディアによって影響を受けるのです。色んなことが分かっている国民と、色んなことが分かっていない、ないしは偏った情報を与えられた国民とじゃ、民主主義による成果は全く違います。民主主義がうまく機能するには、ウェル・インフォームド・パブリック(正しい情報持った国民)が必要になります。
私が「日韓トンネルを推進している」という間違った印象
しかし、現状として、日本の国民はどうしてもワイドショーの影響を受けてしまっています。たとえテレビを普段見ない人でも、ワイドショーで言われたことが面白おかしくネットで拡散されたら、結局それを見ることになります。そして、それが ”世論” だということに変わってしまっています。