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金利上昇で最も恩恵を受けるのは?「銀行株は戻りが今一つ」その一方で…24年に上昇した株価は「一段高」可能性

本稿で紹介している個別銘柄:第一生命HD(8750)、かんぽ生命保険(7181)、T&Dホールディングス(8795)

 7月末の日銀の利上げにより、国内の長期金利などが上昇している。金利上昇は生保会社の運用環境の改善につながる。上場する生保会社の数は少ないものの、生保会社は金利上昇のメリットを受けられる業種といえるだろう。みんかぶプレミアム特集「株で一人勝ち!メガトレンド12」第5回。

目次

7月末に日銀が利上げを発表

 日本銀行は長期に渡り金融緩和策を続けていました。ただし欧米の中央銀行が利上げの最終段階にある中で、いつ日銀が利上げを行うか注目されていました。

 2024年内の利上げはない、との見方もありましたが、日銀はサプライズ的に7月末に利上げを行いました。メディアなどの事前リークもありましたが、これまでの日銀の利上げに対する慎重姿勢は一転したようにも見受けられます。

日銀の利上げ後に株式市場は乱高下、銀行株の戻りが鈍い

 日銀の利上げ発表の翌日に、米雇用統計の発表があり、米国の雇用市場の悪化が明らかになりました。日銀の利上げそして米国の景気後退懸念もあり、週明けの8月5日の日経平均は▲4000円を超える下落を見せるなど、金融市場は混乱が生じることに。

 ただし日経平均は翌6日に3000円以上の上昇を見せ、株式市場は下落一辺倒とはなりませんでした。しかし銀行株は戻りが今ひとつです。日銀の利上げは8月の株式市場の混乱もあり7月の1度で終了、との見方から、利上げが銀行の収益に与える影響は限定される、との見方が広がっています。

利上げによる生保会社の収益拡大が期待される

 利上げは景気抑制政策でもあり、銀行としては運用収益が上がる反面、融資先企業の経営状況悪化による不良債権増加リスクもあります。

 銀行同様に、日銀の利上げにより収益拡大が予想される業種としては、生命保険会社があります。生保会社は保険契約者から預かった長期資金を債券や株式などで運用しています。国内の人口減少による契約者減少という逆風は続くものの、利上げは運用環境にプラスです。生保会社の収益は、銀行に比べてより運用側に寄っていることから、日銀の利上げは銀行より生保会社にプラスの影響が大きいと考えることができます。

 生保会社は相互会社形式の企業が多く、上場企業は少ないながら、国内では以下の上場企業があります。

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この記事の著者
石井僚一

金融・投資ライター 大手証券グループ投資会社への勤務を経て、個人投資家・ライターに。株式や為替の関連記事、IPO関連記事、資産運用記事などを執筆中。ブックライティングやインタビューも手掛けている。 Twitter:@writerIshii

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