10月「小泉進次郎内閣」の爆誕が「ほぼ確」に!…相変わらず言葉の意味はよく分からないが、とにかくすごい自信
高い人気を誇る一方で、中身のない“ポエマー”とも揶揄される小泉進次郎元環境相。毀誉褒貶の激しい「小泉ジュニア」が、いよいよ日本の最高権力者に就く公算が高まっている。9月12日に告示の自民党総裁選(同27日投開票)での勝利が確実視され、官僚たちが進次郎シフトで動き始めたのだ。では「進次郎政権」が誕生すれば、どのようなことが予想されるのか。経済アナリストの佐藤健太氏が解説する。
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相変わらず言葉の意味はよく分からないが、とにかくすごい自信
「自民党が本当に変わるのか。変えられるのは誰か。それが問われる選挙だ。自民党が真に変わるには、改革を唱えるリーダーではなく、改革を圧倒的に加速できるリーダーを選ぶことだ」。9月6日、小泉氏が開いた出馬会見には100人以上のメディア関係者が詰めかけ、その注目度の高さを見せつけた。
決して安価ではないだろうPR会社に広報戦略を担わせ、記者会見ではメディアから事前に質問を受け付けるといった用意周到さは本気度を感じさせる。相変わらず言葉の意味はよく分からないが、とにかくすごい自信だ。「改革」というキーワードを多用し、父親の小泉純一郎元首相を想起させることも狙っているのだろう。
自らの演説原稿だけでなく、記者からの質問に対する内容も事前準備していたようで、ネット上には「えっ、やらせ?」「質疑応答に自信なさすぎ」といった批判的なコメントが相次いだ。
それでも圧倒的人気なのは石破
ただ、“小泉フィーバー”を生んだ純一郎元首相を思い出させる容姿や話し方は高いブランド力を見せつける。翌7日に東京・銀座4丁目交差点で行った街頭演説には多くの聴衆が駆けつけ、9月8日に横浜市で開いた演説会は約7000人が集まった。全面支援する菅義偉前首相も「小泉進次郎さんに日本の舵取りを託したい」と力を込める。
NHKが9月6日から3日間かけて実施した世論調査によれば、「次の自民党総裁にふさわしい人物」は石破茂元幹事長が1位で28%、進次郎氏は2位の23%だ。3位は高市早苗経済安全保障相の9%、4位は河野太郎デジタル相(6%)、5位は上川陽子外相と小林鷹之前経済安保相が4%で並ぶ。
これを自民党支持層で見ると1位は石破氏の29%で、2位の小泉氏は27%とポイント差を縮小させている。3位は高市氏(13%)だ。鋭い取材力と毒舌で知られる政治評論家の田崎史郎氏は9月7日のTBS「情報7daysニュースキャスター」で、自民党総裁選の行方を次のように予想した。1回目の投票で党員・党友票(367票)のうち石破氏は120票、進次郎氏は70票、高市氏は70票に流れるというのだ。
石破氏は国会議員票で小泉、高市両氏を大きく下回るのは確実
今の制度になって最多となる9人が立候補し、推薦人(20人)だけでも180人に達する中、国会議員票(367票)と同じ比重を持つ党員・党友票は勝敗を左右する。日本テレビが党員・党友を対象に独自調査を実施したところ、トップは石破氏の28%で、2位は進次郎氏の18%、3位は高市氏の17%だったという。順位と予想獲得数は田崎氏の分析を裏付けるものだ。
党員・党友票に限れば、1位が石破氏であることは現時点で間違いないだろう。だが、「人望がない」と言われ続けてきた石破氏は国会議員票で小泉、高市両氏を大きく下回るのは確実だ。その差が大きければ議員票と党員・党友票を合わせた数で石破氏は1位どころか、2位または3位になる可能性がある。
自民党総裁選は1回目の投票で過半数を獲得した候補者がいない場合、上位2人による決選投票が行われる仕組みだ。決選投票では国会議員票は1人1票で計367票のままだが、党員・党友票は都道府県に各1票で47票。得票の多い候補者が1票を獲得することになる。
麻生の動きは小泉に有利に働く
つまり、党員・党友票で有利とされる石破氏は仮に1回目の投票で上位2人に入り、決選投票に進出できたとしても不利な条件での戦いを迫られる。そこに進次郎氏の勝利が確実視される理由がある。進次郎氏は無派閥議員を中心としたグループを束ねる菅前首相から支援を受け、議員票を手堅くまとめる。「石破VS進次郎」の決選投票ならば、若きニューリーダー誕生に向けて大半の国会議員が雪崩を打つ可能性は高い。