「選挙負けたのに続投は理屈が通らない」と語った政治家は誰か…嘘つき石破をもう誰も信じない「メガネも嘘」増税はやる

石破茂首相が就任直後に打って出た衆議院解散総選挙。結果は与党にとって散々たるものだった。まさかの自公過半数割れだ。石破首相は解散権の濫用について否定的な立場だったのにも関わらず「就任直後の支持率が高いうちに」と解散した。そして自分が設定した自公過半数維持という勝敗ラインを下回ったにも関わらず総理の続投を明言した。そもそも、石破総理が総裁選中に提唱した日米地位協定の改定や「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」構想は、すでに事実上封印されている。さらに、前向きだったはずの選択的夫婦別姓や富裕層への課税強化についても、その姿勢は明らかに消極的となっている。
石破総理はこれまでの政権では”自民党内野党”として歴代の総理大臣を公然と批判してきた。選挙の結果が悪かった安倍総理に退陣を迫ったことも。それが、自分が総理になったらこれである。もはやこの嘘つき男の何を国民は信じればいいのか。経済誌プレジデントの元編集長と作家の小倉健一氏が解説するーー。
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小野田議員「自民党石破政権への信を問う選挙では?」
自民党の参議院議員・小野田紀美氏は、衆院選後の10月28日にX(旧Twitter)へ投稿し、小泉進次郎氏が自民党の選対委員長を辞任したというYahoo!ニュースの記事を引用しつつ、石破茂首相の会見について怒りをあらわにしている。
<選対委員長が選挙の責任を取るというのは分かります(前の選対委員長は全く責任を取りませんでしたが)。しかし、今回の選挙は自民党石破政権への信を問う選挙では?自民党石破政権への信を問うてこの結果ということを軽視しすぎではないのか>
<責任を転嫁せず、自民党に寄せられる政治と金以外の政策へのNOもきちんと受け止めて反省すべきです>
<さらに、党内融和を試みることをまるで悪いことのように言うのではなく、今一度自民党に突きつけられたNOを省みて、一丸となって動けるように、選挙結果と真に向き合うことが必要だと、そう思います>
この小野田氏の投稿に対して、徳島県知事で元自民党所属の国会議員であった後藤田正純氏は、こうコメントしている。
<就任後すぐに国民に信を問うた石破内閣/『石破政権』の仕事を、国民や現場の我々自治体はまだ見ていません。/ゆえに/『自民党石破政権』というより、政治と金の問題含めた石破政権前の『自民党』が評価された選挙だと思います>(10月29日)
失望を買ったのは自民党でもあるが、石破首相その人の責任でもある
後藤田知事の発言はまるで石破首相サイドの言い分と瓜二つだ。そもそも「『石破政権』の仕事を、国民や現場の我々自治体はまだ見ていません」と言うが、総裁選までに掲げた公約をほとんど撤回したのが石破首相である。「まだ見ていない」どころか、これから何をするのかすらわからないというのが実情であろう。
共同通信の世論調査(10月29日)によれば、10月1日に実施した世論調査で支持率が50.7%あったのが、31.4%まで急落している。逆に、支持しないと答えた人は28.9%から51.2%まで増えている。岸田文雄前政権がずっと不人気だったのであれば、後藤田知事の弁明にも理屈が通りそうだが、国民の期待を背負って政権の座についた石破首相は、超短期間で支持率を大幅に落としたのである。失望を買ったのは自民党でもあるが、石破首相その人の責任でもある。
かつて、石破首相はこう発言し、当時の安倍晋三首相を批判していた。第1次安倍政権下、2007年の参議院選挙で自民党が大敗し、安倍首相(当時)が続投の方針を表明した際のことだ。
<石破は党の総務会で「選挙に負けたにも関わらず、続投するのは理屈が通らない」と安倍氏の辞任を公然と求めた。/「『続投するならそれなりの説明が必要でしょう』と。安倍さんにとっては、最も言われたくないことだったと思うな。だからその時から、感情的には『こいつは許せない』っていうのが、ずっとあったと思うんだよね」>(NHKニュース、2022年8月15日)
不遇の時と権力の座にいる時で態度がまるで違う
日本では最終的に優先されるのは衆議院の決定であり、参議院は厳密に言えば政権選択の場ではない。しかし、石破首相は安倍氏を「選挙に負けたにも関わらず、続投するのは理屈が通らない」と罵ったのである。
今回、石破氏が負けたのは衆院選である。石破首相は勝敗ラインを「与党過半数」に設定した本人だ。それにもかかわらず与党過半数割れを起こしており、石破氏は続投を表明した。