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橋下徹、再選の斎藤元彦に「勝ちは勝ちですけど、本来なら」…アンチ斎藤の急先鋒に疑問の声「自分の非は最後まで認めない可能性」

 自身の失職に伴う兵庫県知事選挙で、前職の斎藤元彦氏が再選を果たした。そんな中、橋下徹氏がテレビ番組で「勝ちは勝ちですけど、稲村さんの方に97万(票)ですからね。不信任決議が出て、本来なら議会解散して、議会の過半数を味方につけなきゃいけない。斎藤さんの得票率は過半数ないですから。そこはしっかり斎藤さんも受け止めないといけない」と指摘したことが話題を呼んでいる。プレジデント元編集長で作家の小倉健一氏が解説するーー。

目次

とにかく違和感をとても持つ

 最近、橋下徹氏の発言をそのまま受け取ることができなくなっている。橋下氏が上手に立ち回ろうとしているせいなのか、何か他に目的があるのかさっぱりわからないが、とにかく違和感をとても持つ。

 例えば、橋下氏のXへの投稿(11月17日)である。ものすごい長文なので、省略して紹介せざるを得ないが、ぜひ読者には原文にあたってほしい。

【代表選に向けて・国政維新の失敗の検証】と題して、以下のようなことを述べている。

<今の国政維新にはパーパスや戦略目標がなく、したがって戦術も戦略なきものだった>

<僕が代表のときには大阪都構想を実現するための国政政党と位置付けた>

<今の維新のように年間40億円も使えるお金はない。最初は0円からスタート。/今の維新幹部が使っていた年間6000万円の領収書の要らない政策活動費などもちろんない>

<国政維新がいきなり政権を担えるはずがない。それなら中間目標が必要だ。/その中間目標に国政維新は野党第一党になることを掲げた。/これほどくだらない目標はない。/野党第一党なんて国会議員たちが永田町生活を送る際の見栄にしかならない>

<自公が過半数、維新が野党第一党になっても、自公だけで自公の政策は進むので、国会議員のやることと言えば、国対委員を中心とする飲み食い政治がメインになる>

そして、飲み食い政治をすると、最後はしょうもない修正に終わってしまうのだという。

<僕の持論は野党間予備選だ。/今回、国政維新執行部が維新の議席を減らすことを前提に、野党間予備選やくじ引きを仕掛けて与党過半数割れを起こしたのであれば、拍手大喝采の大金星だったと思う>

だいたいこんなところだろうか。一つずつ、見ていこう。

与党過半数割れという奇跡的なチャンスをムダにした

 まず「維新の失敗」という点だ。たしかに、維新は支持率を下げ、国民民主のように自公への政策協議もほとんど拒否したまま、代表選をはじめてしまった。今こそ、国民民主に先駆けて政策提言をするタイミングなのだが、馬場伸幸氏を代表の座から引き摺り下ろすべく、橋下氏は発言し、実際にそうなった。与党過半数割れという奇跡的なチャンスをムダにしたのは、橋下氏自身の飲み食い政治を終わらせろという発言に原因がある。

 そして、この飲み食い政治である。

 橋下氏は、自分のものも含めて維新執行部の使った領収書を出せ出せ出せ出せ出せ出せ出せ出せと、衆院選前の維新執行部を口撃し続けてきた。この件、漫画「ジョジョの奇妙な冒険」を筆者は想起した。出せ出せ出せ出せ出せ出せ出せ出せ出せ!と。それぐらいの信じられなぐらいの執着であった。

 たしかに、領収書の公開については民間基準にあわせてやったらいいと思うが、維新とはもう関係のないテレビで影響力を行使する人物が、一野党の動向について、そこまで執着すべきなのか。馬場氏が飲み食いしながら政治をしていたのは、自公が過半数を握っている以上、致し方のないことだと感じた人もいたのではないか。

もはや批判のための批判なのであろう

 過半数を握っていた頃の自公とて、独断でやってるように思われたくないので、時に野党の協力も必要だが、過半数を自公で握っている以上、それも程度問題である。そして野党第2党である以上、テレビを中心とするメディアは野党第1党である立憲民主党にスポットライトを当てるのである。飲み食いして、どうにか維新にも国民にアピールできる材料を探すことすら、ダメというのは、まったくわからない。民間でも営業活動として飲み食いはする。そこでクライアントの温度感を探るというのは、日本だけでなく、海外でも普通に行われる商行為だ。

 そしてまた、過半数割れすれば、飲み食いの必要もなくなる。飲み食いが問題なのではない。自公が過半数を握っているかどうかが問題だったのだ。このことは当然知っていたはずなので、もはや批判のための批判なのであろう。

 次に、維新の失敗ということだが、維新の支持率が落ち、得票率が落ちているのは、兵庫県知事をめぐる対応に大失敗したこと。万博は問題ばかり起き(筆者は、14兆円もの税金を投入しておいて、特に経済波及効果がほとんどなく、プロパガンダに使われている点が大きいと思う)、大阪維新に対する疑念が生まれていること。

アンチ斎藤知事、万博、増税の3点セット

 特に、トイレに2億円かけるのは若手デザイナーに魂を吹き込むためだという謎の主張をしている吉村洋文知事。吉村知事は、斎藤元彦県知事を橋下氏と歩調をあわせるように切り捨てた罪は大きいと思う。

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