有名企業に入社できれば 「30歳で1千万」は本当なのか…新卒就職の「予後」を考えずになんとなく就職する高学歴たちの末路

良い大学、良い企業に入ったからと言って、その後の人生が必ずしも「安泰」「幸せ」になるわけではないーー。終身雇用制の崩壊によってその傾向に拍車がかかってきている中、SNSではそれと並行して学歴・キャリアの「予後」という概念が注目を集めている。
学歴・キャリアの「予後」について警鐘を鳴らし続けている筆頭は、学歴活動家のじゅそうけん氏だ。なぜ「予後」が重要なのか。幸せなキャリアを歩むために就活生が知っておくべきことは何なのか。同氏が語るーー。みんかぶプレミアム特集「人生激変!プロおすすめのホワイト企業リスト」第4回。
目次
学歴・キャリアの「予後」がSNSで話題に
2024年後半から急に学歴・キャリアの「予後」という概念が SNS 上で流行している。
最近の私も、SNSで「予後予後」と延々と唱えつづけている異常者と化している。
今回はそんな「予後」について、働き続ける場合、転職する場合に分けながら考えていこうと思う。
「予後」は元々医学用語であり、治療を行った後の病状についての医学的な見通しのことを指す言葉である。
ところが最近、私じゅそうけんをはじめとする学歴界隈のインフルエンサーたちが、大学進学後・企業入社後の進路の成否についても、「予後」という言葉で表現し始めたのだ。
私たちは有名難関大学への進学と、その上での有名大手企業への就職内定をあたかも「人生のひとまずのゴール」であるかのように考えがちだ。しかし実際には、就職先の企業で必ずしも上手く立ち回れるわけではなく、ついていけずに退職し、そのまま定職につけないままになる、いわゆる「転落高学歴」のような状態になる可能性もある…。「予後」はそこにスポットを当てた概念だ。
「有名大手企業に入社さえできれば 30 歳で年収1千万円を狙える」は本当か…予後を考えずに有名企業になんとなく就職する高学歴たちの末路
特に就職活動は、受験勉強とは毛色が違う。
「内定さえすればその後は生涯安泰」「学力さえあれば出世が確約される」という類のゲームではない。
思考停止で大企業に入社したものの、予後不良に陥るパターンは往々にしてある。受験戦争・新卒就職で勝ち抜いてきた高学歴サラリーマンにとっては、ここが大きな落とし穴とも言える。
「有名企業に入社できれば 30 歳で年収1千万円を狙える」と唆され、無事にそうした企業に入社できたはよいものの、実際には年収1千万円に届くどころか、毎日のように詰められてメンタルを壊しそうになり、待遇で妥協しながら逃げるように転職する羽目になった…。そんなパターンが典型的な予後不良と言える。
実は私じゅそうけんも、この典型例に該当する。有名企業に入ったはよいものの、年収1千万円に到達するはるか前にメンタルを壊しそうになって新卒2年目で退職してしまったのだ。その後、「沈没」期間を経て学歴活動家として再起した。
就職先企業への期待値に対する就職後のダウンサイドリスクの大きさによって「予後」は規定される。つまり、本人がその企業から全く評価されなかった場合に確保できる待遇のボトムの高さが問われることになる。