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石丸伸二、立花孝志、国民民主党、ReHacQ…オールドメディアよりもSNSが選挙を動かす時代になったワケ

(c) AdobeStock

 2024年はSNSが選挙に大きな影響を与えた年だった。東京都知事選や兵庫県知事選においては、特に顕著だったといえるだろう。実業家の堀江貴文氏に選挙とSNSの関係について聞いたーー。みんかぶプレミアム特集「業界大予測」第7回。

目次

立花孝志とはどんな人物なのか…NHKの「裏金担当」だった男が、「NHKをぶっ壊す」を掲げるまで

ーー今回のテーマは兵庫県知事選です。この選挙では、斎藤元彦さんの当選にSNSが大きな影響を与えたと言われています。一方で、「オールドメディアの報道がひどかった」という声も多く見られました。マスコミの報道については、どのように感じられましたか?

堀江貴文(以下、同)

 テレビはそもそも見ないので、マスコミの報道についてはあまり分かりません。興味がないというか、見る習慣がないんですよね。ただ、SNSはよく見ているので、今回の選挙でSNSが大きな影響を与えた石丸伸二、立花孝志、国民民主党、ReHacQ…オールドメディアよりもSNSが選挙を動かす時代になったワケ

のは実感しています。そのきっかけを作ったのは、立花孝志さんではないでしょうか。彼はいろいろなことに挑戦し、成功も失敗も繰り返しながら前進しています。

 もともと立花さんは、NHKの海老沢勝二元会長の懐刀でした。さらに遡ると、彼は関西出身で、家庭の事情から大学には進学せず、高卒でNHKに入社しています。その後、才能を発揮して出世し、最終的には海老沢元会長の「裏金担当」と呼ばれる立場にまで上り詰めました。

 昔、紅白歌合戦のプロデューサーが愛人のためにNHKの裏金を使っていた、いわゆる「NHK番組制作費着服事件」がありましたが、それを週刊文春に告発したのが立花さんでした。

 しかし、その告発が原因でNHKをクビになり、その後はパチプロとして生計を立てていたそうです。しかし、「やっぱりNHKは改革しなければならない」と考え、国会議員を目指すことを決意し、最終的に「NHKをぶっ壊す」というスローガンを掲げるようになったのです。

立花孝志はいろいろと試して、失敗することもあれば成功することもある…地方の選挙ほどSNSが重要になる

 立花さんは、本当にいろいろなことを考えて試していますよね。もちろん失敗も多いですが、成功することもあります。

 今回の兵庫県知事選でも、「斎藤知事を応援するために僕は出ることにしました」と言っていましたが、正直最初は「それって意味あるの?」と思っていました。ところが、結果的には大きな話題になって、かなりバズっていましたよね。

 立花さんのSNSでの影響力は非常に大きかったと思います。ただ、一方で「政治家女子48」プロジェクトのように、失敗が目立つ取り組みもありましたよね。

 ただ、そうした試行錯誤が積み重なって、彼の活動の基盤ができています。兵庫県知事選でもそのノウハウが活きて、話題性を作り、無党派層にアプローチすることに成功しました。

 地方選挙は投票率が低く、組織票の影響が大きいと言われています。しかし、SNSを活用することで、普段選挙に行かない無党派層の関心を引き付け、彼らに調べさせることができます。その結果、SNSで得た情報が大きな影響を与えるんです。実際に演説を聞いてみると、「意外とまともなことを言っているな」と感じる人が多いです。こうしたプロセスを通じて、新しい候補者が注目を集め、票を得やすくなる仕組みになっています。

石丸伸二はどうすれば東京都知事選に勝てたのか…堀江貴文「この政策を打ち出せば圧勝できた」

ーー前回の東京都知事選について、どのように分析されますか?

 都知事選では接戦が続き、石丸さんは結果的に2位でした。ただ、東京都知事選の投票率は50%台とそれほど高くありません。マスコミは小池百合子さんのような既存の候補者を応援しがちですが、一方で、面白い論点を掲げた候補者が注目を集める傾向も見られました。  

 竹中平蔵さんに「石丸さんはどうすれば勝てたと思いますか?」と尋ねたところ「賛否両論を呼ぶような大胆な公約を掲げるのが良い」と言われました。

 例えば、「お台場にカジノを誘致する」という公約です。これには強く反対する人もいますが、同時に「面白そう」と感じる人も多いでしょう。カジノに加えてラグジュアリーホテルを建設し、F1などのイベントを誘致すれば、シンガポールのような経済モデルを目指せるかもしれません。法人税も安くなり、外国企業も集まることで経済が活性化するというシナリオも描けます。

 こういった公約に反対するのは主に組織票ですよね。例えば立憲民主党や共産党支持者などです。そのため、反対票が大幅に増えることはなく、むしろ無党派層からの支持を引き込む可能性が高いという考え方です。

 さらに、「僕が最後の東京都知事になります」という公約も面白い案だと思いました。東京を直轄市化し、政府内に「東京省」を作るという構想です。かつて東京も直轄市だった歴史があり、世界の主要都市、例えば北京やワシントンD.C.のように、直轄地として国家戦略の中で発展させるモデルを採用するというアイデアです。これにより、東京は国家としての強みを活かせる都市になります。

 こうした大胆な公約や戦略があれば、都知事選の結果も違ったかもしれません。また、立花さんも、兵庫県知事選での知名度を生かし、NHK党として関西の首長選挙を取りに行く計画を進めているようです。

地方の選挙ほどSNSでの発信力が重要な理由

ーー現在のマスコミの報道では、現職の知事や候補者に関する情報があまり得られないため、SNSでの発信力が非常に重要だと思います。この流れは今後も続いていくのでしょうか?

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この記事の著者
堀江貴文

1972年10月29日、福岡県生まれ。 現在はロケットエンジン開発や、アプリのプロデュース、また予防医療普及協会として予防医療を啓蒙する等 様々な分野で活動する。 会員制オンラインサロン『堀江貴文イノベーション大学校(HIU)』では、700名近い会員とともに多彩なプロジェクトを展開している。 [http://salon.horiemon.com](http://salon.horiemon.com/) 著書『金を使うならカラダに使え。』『ChatGPT vs. 未来のない仕事をする人たち』『2035 10年後のニッポン ホリエモンの未来予測大全』など。 その他詳細はhttps://zeroichi.media/ Twitter アカウント @takapon_jp

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