この記事はみんかぶプレミアム会員限定です

参政党が台頭した2つの理由…宗教学者・島田裕巳氏「これは歴史的な必然だ」創価学会と参政党の拡大戦略の類似点

(c) AdobeStock

 7月の参院選で参政党が大躍進した。多くのメディアや識者が予想だにしなかった結果に驚きを見せている。

 そこで気になるのが、同党が躍進した要因だ。宗教学者の島田裕巳氏は「参政党が躍進した理由は2つある」という。いったい、何がその要因なのかーー。

 みんかぶプレミアム特集「参政党が勝ち、リベラルが負けた理由」第11回。

目次

「日本ファースト」で支持を得た参政党…一方、ヨーロッパの極右政党が生まれた背景は

 参政党の躍進は大きな注目を浴び、また、多くの人たちを困惑させている。

 それも、参政党が参院選のスローガンに「日本ファースト」を掲げ、排外主義に通じるような主張を行ってきたからである。

 実際、参政党の神谷宗幣代表は、参院選後の8月5日、国会でドイツの極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の共同党首と会談し、機会があれば、ヨーロッパを訪れたいと語っていた。

 ヨーロッパでは、ドイツに限らず、極右政党が台頭している。参政党の躍進は、日本にもその波が訪れたことを示しているのではないか。そのように受け取られているところがある。

 だが、ヨーロッパと日本では状況が違う。ヨーロッパ各国には、イスラム圏などから多くの移民が押し寄せ、外国で生まれた人間の割合は、EU全体で13・3パーセントに及んでいる。日本だと、それはまだ3パーセント程度に過ぎない。日本にはまだ、ヨーロッパのように、移民を排除しようとする極右政党が台頭する社会的な環境が生まれているとは言えない状況にある。

参政党台頭の理由「神谷代表の無思想」島田裕巳「創価学会の2代会長である戸田城聖のことを思い出した」

 では、なぜ参政党は台頭したのだろうか。ここでは、二つのポイントにしぼって論じたい。

 一つは、神谷代表の思想である。あるいは、より正確な表現をするとすれば、「神谷代表の無思想」である。

 神谷代表の発言が、場面場面に応じて変化することは様々な形で指摘されている。日本ファーストについても、選挙後、排外主義であることを否定するとともに、日本で外国人が優遇されている具体的な事実はないとまで言っていた。

 これは、多くの議席を獲得したことによって政治家としての責任が生じ、過去の発言を修正したとも言える。だが、その場その場で神谷代表の発言内容が変わることは事実である。

 先日も、神谷代表に3時間にわたってインタビューしたというジャーナリストに話を聞いた。1時間の予定がそれだけ伸びてしまったのは、代表の発言に一貫性がなく、その本心をつかむことができなかったからだと言う。

 私は、その話から創価学会の2代会長である戸田城聖のことを思い出した。戸田は、大酒飲みで、演壇に酒を置かせ、それを飲みながら会員にむかって講演を行った。酒のせいもあり、戸田の話に一貫性はなく、批判を受けると、とりあえずそれを真っ向から否定して見せたのだ。神谷代表は、この戸田に似ている。ただ、神谷代表は酒を飲んで話しているわけではない。

参政党・神谷代表が他の政治家と決定的に違うところ

 普通の人間であれば、まして政治家であれば、自分の発言が一貫したものであるのかどうかを気にする。前に発言したことと、今回発言したことの間に齟齬があれば、必ずや批判を受けるからである。

 ところが、神谷代表は、そうしたことをまったく気にしていないように見える。自分の発言が一貫していないことも、本人は気づいていないのかもしれない。ひとつ一つの事柄について、それぞれ熱を入れて語ることが重要で、整合性をとることにまったく関心がないのだ。

今すぐ無料トライアルで続きを読もう
著名な投資家・経営者の独占インタビュー・寄稿が多数
マネーだけでなく介護・教育・不動産など厳選記事が全て読み放題

    この記事はいかがでしたか?
    感想を一言!

この記事の著者
島田裕巳

作家、宗教学者。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。元日本女子大学教授。現在は東京通信大学非常勤講師。著書に『日本の宗教と政治』(千倉書房)、『天皇と憲法』(朝日新書)、『教養としての世界宗教史』(宝島新書)、『[完全版]創価学会』『神社崩壊』(新潮新書)、『葬式は、要らない』『日本の10大新宗教』(幻冬舎新書)、『[増補版]神道はなぜ教えがないのか』(育鵬社)など多数。

政治・経済カテゴリーの最新記事

その他金融商品・関連サイト

ご注意

【ご注意】『みんかぶ』における「買い」「売り」の情報はあくまでも投稿者の個人的見解によるものであり、情報の真偽、株式の評価に関する正確性・信頼性等については一切保証されておりません。 また、東京証券取引所、名古屋証券取引所、China Investment Information Services、NASDAQ OMX、CME Group Inc.、東京商品取引所、堂島取引所、 S&P Global、S&P Dow Jones Indices、Hang Seng Indexes、bitFlyer 、NTTデータエービック、ICE Data Services等から情報の提供を受けています。 日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。 『みんかぶ』に掲載されている情報は、投資判断の参考として投資一般に関する情報提供を目的とするものであり、投資の勧誘を目的とするものではありません。 これらの情報には将来的な業績や出来事に関する予想が含まれていることがありますが、それらの記述はあくまで予想であり、その内容の正確性、信頼性等を保証するものではありません。 これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、投稿者及び情報提供者は一切の責任を負いません。 投資に関するすべての決定は、利用者ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。 個別の投稿が金融商品取引法等に違反しているとご判断される場合には「証券取引等監視委員会への情報提供」から、同委員会へ情報の提供を行ってください。 また、『みんかぶ』において公開されている情報につきましては、営業に利用することはもちろん、第三者へ提供する目的で情報を転用、複製、販売、加工、再利用及び再配信することを固く禁じます。

みんなの売買予想、予想株価がわかる資産形成のための情報メディアです。株価・チャート・ニュース・株主優待・IPO情報等の企業情報に加えSNS機能も提供しています。『証券アナリストの予想』『株価診断』『個人投資家の売買予想』これらを総合的に算出した目標株価を掲載。SNS機能では『ブログ』や『掲示板』で個人投資家同士の意見交換や情報収集をしてみるのもオススメです!

関連リンク
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.