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「消費税減税=財政悪化」は大嘘…国際政治アナリストが指摘「消費税減税は、金持ちではなく、むしろ低所得者層ほど恩恵を受ける」なぜなのか

(c) AdobeStock

 衆議院選挙での高市政権圧勝により、ついに現実味を帯びてきた「消費税減税」。多くの国民が生活の好転を期待する一方で、いまだに減税に反対する勢力が存在する。なぜ彼らは、これほどまでに減税を恐れるのか。国際政治アナリストの渡瀬裕哉氏が、客観的データをもとに反対派の嘘を暴く。

 みんかぶプレミアム特集「円安・インフレ狂騒曲」第5回。

目次

「消費税減税=財政悪化」は大噓…過去の増税が証明した客観的事実

 高市政権が衆議院で圧勝したことにより、消費税減税に関して与野党協議の場である「国民会議」で議論が進められる予定である。本来、衆議院で単独三分の二の議席を得るほどの大勝を収めた以上、国民会議のような場を設ける必要性はまったくない。したがって、消費税減税に対する反論は政治的には取るに足らないものであるが、依然として愚にもつかない主張が散見されるため、ここで改めてそれらを否定しておきたい。

 最も多い反論は、消費税減税によって日本の財政が悪化するという懸念であろう。しかし、高市政権が提案しているのは「飲食料品をゼロ税率にする」というものであり、その規模は約五兆円に過ぎない。日本の税収(一般会計ベース)は2013年の約47兆円から2025年には約81兆円へと増加しており、実に34兆円の伸びである。そのうち、消費税収の増加分は5%から10%への二度の増税を経ても約15兆円にとどまる。むしろ、2014年・2019年の増税時には所得税・法人税の伸びに悪影響が生じている。「消費税増税は景気を冷やし、結果として税収を減らす」という事実はすでに観測されている。

 また、財政規律の観点から言えば、名目成長率が金利を上回れば債務比率は自然に低下する。度重なる消費税増税は日本の成長率鈍化の一因であり、増税による税収増よりも、減税による経済刺激を通じて成長を実現するほうがはるかに有益である。財政収支の改善は経済成長以外にあり得ず、名目成長率が鈍化したことで日本の財政が悪化し続けてきたことは明白である。

 さらに、税収弾性値は2025年には柳ヶ瀬議員の国会質問などで過去10年間で「3.23」であることも確認されている。その結果として、景気回復及びインフレ基調となっている局面においては、経済成長が著しい税収増をもたらしていることも証明された。これは過去から延々と繰り返されてきた財務省見解である税収弾性値を「1.1」と仮定する説が事実として否定されたことを意味する。減税も含めた経済成長政策による税収増の可能性が大きいことが示唆されたことも重要だ。

為替動向は消費税減税だけで決まるほど簡単ではない

 むしろ、需給ギャップが十分に埋まっていない現状を踏まえれば、5兆円規模の食料品ゼロ税率という小規模な減税では景気刺激策として不足だ。本来は、より大規模な減税を検討すべきである。その結果として金利上昇の気配が一時的に生じたとしても、それを上回る経済成長が実現すれば何の問題もない。いずれにせよ、経済成長を無視した財政危機論など聞くに値しない愚論だ。

 金融環境の面から、消費税減税がさらなる円安を招くという見方もあるが、為替はそのような単純な要因で決まるものではない。為替動向を完全に人為的に操作できる者などこの世に存在しない。しかし、少なくとも中央銀行の金融政策の影響が大きいことは間違いない。そのため、FRBが利下げに向かい、日銀が利上げに動いている現実を踏まえれば軽々に円安になるとは言い難い。産業構造の観点から超長期的には円安方向に向かう可能性はあるものの、消費税減税だけで為替を語る者は占い師としても出来が悪すぎて通用しないだろう。

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この記事の著者
渡瀬 裕哉

1981年生まれ。早稲田大学大学院公共経営研究科修了。 早稲田大学公共政策研究所招聘研究員、事業創造大学院大学国際公共政策研究所上席研究員。機関投資家・ヘッジファンド等のプロフェッショナルな投資家向けの米国政治の講師として活躍。2016年トランプ大統領当選、2020年民主党による大統領・連邦上下両院勝利を正確に予測し、米国政治に関する分析力に定評がある。『メディアが絶対に知らない2020年の米国と日本』(PHP新書)、『2020年大統領選挙後の世界と日本 』(すばる舎)、『なぜ、成熟した民主主義は分断を生み出すのか』(すばる舎)

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