「プーチンはそろそろ力尽きる」英国MI6長官が明かした「ロシアへの反撃のチャンス」
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「我々まだ何ひとつ本気を出していない」とプーチンは強弁
隣国ウクライナへの侵攻に踏み切ったロシアのプーチン大統領は、ロシアへの経済制裁やウクライナへの武器供与などウクライナへの支援に回る西側諸国に対して、7月7日、「彼ら(西側諸国)は我々を戦場で敗北させようとしているようだが、やってもらおうではないか。我々はまだ何ひとつ本気を出していない」と発言、ウクライナでの軍事目標達成に自信を見せている。
米ニュースサイト「VOA」7月21日の記事によると、侵攻前にプーチン大統領から打ち明けられたとして、ウィリアム・バーンズ米CIA長官の当時の言葉が掲載されている。
「プーチン大統領は、自分の運命を実現するためにウクライナを征服しなければならないと本当に信じている。私は彼が何年にもわたって内々にウクライナは本当の国ではないと言うのを聞いた。彼は本当に1週間以内にキーウを占領できると考えている」
そして実際に、プーチン大統領は、ウクライナ全土の掌握や首都キーウの占領などの軍事作戦を計画した。だが、その目論見は、完膚なきまでに失敗した。その後、戦略目標を変え、親ロシア派が実効支配をしようと企図していた東部ドンバス地域2州に侵攻、現在は隣接するザポリージャ州とヘルソン州の南部2州などの確保を目指している。
外交官400人が本国へ強制送還、失敗続きのロシア軍
ロシア軍の作戦をわかりやすく言えば、「シンプルな消耗戦」だ。膨大な弾薬、砲弾によって、ウクライナ軍のいる(と思しき)エリアを破壊し尽くし、ウクライナのあらゆる戦術的、地政学的優勢を無くしたその後で「忍び寄る」ように進軍していくものだ。その弾薬・砲弾の消費スピードは凄まじく、また自軍もたくさん死ぬ。この作戦では長期的には戦闘能力を維持することはできないと多くのアナリストに指摘されている。
英国の対外情報機関MI6のトップであるリチャード・ムーア氏は、7月23日、メディアに対して、こう明かした。
「ロシアのプーチン大統領が、キーウを占領して政府を転覆させるという当初の目標達成に大きく失敗し、動きの遅い戦略を取らざるを得なかった。最近のロシアの戦果は微々たるものであり、そろそろ力尽きようとしている。我々の評価では、ロシアは今後数週間で、人材や物資の確保がますます困難になると思われる。彼らは何らかの形で一時停止しなければならず、そうなればウクライナ人に反撃の機会を与えることになるだろう。
さらに、この戦争はロシアの情報機関にとってもうまくいっていない。外交官として活動していた約400人のロシア諜報部員が本国に送還された。英国をはじめとするヨーロッパでは、ロシアの情報収集能力は半減している。