名古屋市長・河村たかし「維新は、なぜダメのか」…完全論破した維新政治の根本的欠陥
4月の統一地方選を巡り、河村たかし名古屋市長と日本維新の会の対立が激しくなっている。一時は共闘路線を歩むかに見えた両者に亀裂が入ったのはなぜなのか。そこには税収に対する根本的な考え方の違いがあった。国際政治アナリストの渡瀬裕哉氏とジャーナリスト・小倉健一氏が、全3回にわたって河村たかし市長を直撃取材し、その政治哲学を解き明かす。(第1回)
「河村氏に往年の勢いはない」…維新の方針転換に徹底抗戦を宣言
日本維新の会は、今年4月に実施される統一地方選挙で、愛知県を最重点地区に位置づけ、県内に候補者を40人から50人程度擁立する方針を明らかにした。これまで、維新と河村たかし名古屋市長が率いる地域政党「減税日本」は、選挙協力を続けてきた経緯があった。維新と減税日本は、河村市長の引退後「減税日本所属の市議会議員を維新に吸収し、維新は名古屋で大きな勢力となる」(維新関係者)ことを目指すという計画だ。
そのために、来年の統一地方選挙では、減税日本と維新の県支部である愛知維新の会との間で共同公認の覚書をつくり、減税日本と維新の共同公認として戦うことが準備されていた。しかし、現在の維新の執行部は「河村氏に往年の勢いはない」「減税日本の現職から『維新の看板で選挙を戦いたい』という声があった」として、「両党の公認」案を破棄し、「維新公認、減税日本推薦」案を要求した。
もし、この案を河村市長がのめば、今回の統一地方選挙をもって、名古屋市議会から減税日本は消滅することになる。当然、河村市長は拒否。統一地方選挙での両党の選挙協力は暗礁に乗り上げてしまったのだ。これを受け、河村市長は「向こうが戦うと言っているから、こっちも戦うよりしようがない。徹底的に戦わせてもらう」と話した。
税収とは総務部の収入のようなもの…増やしても何も生まれない
──「維新」政治についてどう見ていますか。石原慎太郎元東京都知事との連携も含めて、何があったのでしょうか。
(河村たかし名古屋市長)東京都知事だった石原慎太郎さんが、行政に複式簿記を導入したのが自分たちの実績だったと言っていたことがあった。この複式簿記の導入を大阪もやった。民間企業みたいに、行政がチェックできる仕組みだからと、マスコミも含めて、みんなすごいと褒めていた。