1兆円を動かすトレーダー「なぜ勝ち続ける人はずっと勝ち続けるのか」上級投資家が必ず実践している”たった一つ”のトレード手法
日本に20人足らず、たった数分で1兆円の取引をするインターバンクトレーダー。
その経験者でTwitterでも絶大なる人気を誇るリウム氏の連続インタビュー第1回目は、為替トレーダー初級者と上級者の違いについて、深掘りした。
上級為替トレーダーの保有の仕方や情報の選球眼、意思決定にはどのような特徴があるのか。
目次
質問の内容でわかるトレーダー初心者
現在FXトレーダー向けのオンラインサロンを運営するリウム氏。このサロン内では、初心者から上級者まで、さまざまなステージにいるトレーダーが在籍している。
では、安定的に稼ぐことのできる上級者と初心者の違いはなんなのか。
「端的に言うと、勝ち負けの結果だけを求めている人は初心者だと言えます。たとえば『リウムさん、今から上がりますか? どれくらい落ちますか?』といった質問を私に投げかけるような、目先のことしか考えられない人は典型的な初心者です。彼らは短期間で稼ごうと思い、一発逆転を狙っているタイプが多い印象です」
「対して中級者は、自分が思い描いていたシナリオを、トレード結果を踏まえて検証できるようになった人を指します。チャートを観察し “ゆくゆくはドルが売られて円が買われるな” といったように考察する。そして、実際に結果が出たときに自分の考えが正しかったかどうかを検証する。この一連の過程を熟慮できるようになって、初めて中級者と呼べます。その意味では、中級者はしっかり損失管理ができることがポイントですね」
損失管理は、わかりやすくいうと「許容損失の設定」である。
「ポジションを持った時に、許容損失を設定することが、トレーダーにとって重要な作業の一つになります。前提として、上がるか?下がるか?という予想は確率論の世界です。もちろん色々なデータや経験を基に意識決定するわけですが、必ず勝てる保証はない。そこで負けは負けでも、可能な限り少ない損失で済むように『これ以上下回ったら損切りしよう』とリスクヘッジすることが大切なんです」
この許容損失の設定には、覚悟が必要だという。
「覚悟を持ってトレードに挑んだ人間は、スパッと損切りができるんですよ。人によって投資資金の3%や20%といったように違いますが、そこまで下がったらスパッと切れる金額を設けておく。しかし、許容損失を明確に線引きできていない人は、いつまで経っても損切りできず『お祈りトレード』になってしまうパターンが多いんです。マイナスを取り戻すことに躍起になり、ある意味で思考を放棄してしまっている状態です。マイナス100万円だろうと500万円だろうと、スパッと切らないとさらにマイナスが増えます。とはいえ、私ですらマイナス2000万を損切りする際は躊躇(ちゅうちょ)しますけど(笑)」
トレーダー中級者と上級者の違い。それは…
多角的な情報を基にシナリオを作り、許容損失を設定したうえでトレードする。そして、結果を踏まえて自らの考えが正しかったかどうかを検証するのが、中級者の特徴だ。