ライトコインとは?特徴や他の仮想通貨と比較

ライトコインとは? 特長やほかの仮想通貨と比較

仮想通貨には、送金・決済からプラットフォームのトークンまで様々な機能を持ったものがあります。今回は、その中でもビットコインを元に開発されたライトコイン(LTC)について解説します。

ライトコインの大きな特徴として、送金に適していること、そして管理する団体組織が存在しないことが挙げられます。ビットコインと同じようにマイニングによって採掘され、マイナーによってブロックチェーンネットワークの安全性を保っています。

そのため、中央管理団体は存在せず、非中央集権的な仮想通貨です。しかし、ライトコイン財団と呼ばれる財団が存在しており、この財団が実質的な実権を握っているという噂もあります。

国内でも取り扱いがある仮想通貨であり、時価総額も常に上位に位置しているため、一定の信頼を得ているといえます。

なお、コインチェックにある動画では、分かりやすくサクッと知ることができます。

出典:ライトコイン(Litecoin/LTC)とは?今後の将来性や価格高騰につながる最新ニュースを解説!

目次

ライトコインの概要

時価総額

約 5,500億円

発行上限

8400万

承認方式

Proof of Work

上場時期

2013年04月28日

中央機関

なし

提唱者

Charlie Lee

オフィシャルサイトURL

https://litecoin.com/

ホワイトペーパーURL

なし

公式TwitterURL

https://twitter.com/LitecoinProject

ライトコイン誕生の経緯

ライトコイン誕生の経緯

次にライトコインの誕生について解説します。

ライトコインは、グーグルのエンジニアであったチャーリー・リー氏によって発案され、2011年10月7日に発行されました。主要な仮想通貨の中では、ビットコインの次に歴史が古いと言われています。

ライトコインの誕生には、ビットコインが持つ機能的な課題が影響しています。ビットコインは仮想通貨の中でも、もっとも有名です。恐らく、所持しているユーザーも最も多いでしょう。ビットコインの知名度が徐々に上がっていくにつれて、その利便性から取引量が着実に増えていきました。

ビットコインの取引が増えてくると、処理が追いつかずにビットコインの送金から着金までに時間がかかってしまう問題が発生します。この問題をスケーラビリティ問題といいます。

ビットコインよりも早く手軽なライトコイン

スケーラビリティ問題を理解するには、ブロックチェーンの仕組みを理解する必要があります。ビットコインはブロックに取引を記録します。これを接続していくことから、ブロックチェーンという名前がつけられました。

一方で、ブロックに記録できる量は仮想通貨ごとによって決められます。ビットコインの場合は、ブロックに記録できるのは1MB、ブロックの生成にかかる時間は10分です。つまり10分ごとに1MBの記録領域が生まれるわけですが、このスピード以上に記録したい取引が溜まると、スケーラビリティ問題を起こすことになります。

ビットコインのスケーラビリティ問題を解決するために誕生したのが、ライトコインです。ビットコインが10分かけていた処理を、ライトコインでは2.5分で行ってしまう処理速度になっています。

また、小額の決済にも対応できるように、手数料を低く設定しました。

ライトコインの理念として、商品の購入など日常的な買い物に使える実用性の高い仮想通貨と設定しており、仮想通貨全体の課題でもある実用性の問題を解決するような仮想通貨と言えるでしょう。

ひとつだけ注意が必要なのが、ライトコインはあくまでもビットコインのコードを複製して作成されたものであり、フォークによってつくられたものではないということです。

ビットコインが金、ライトコインが銀と評されることも多く、お互いに補完し合う関係であると言えます。

ライトコインとビットコインキャッシュの違い

ライトコインとビットコインキャッシュの違い

ライトコインはビットコインの機能性の問題の解決を目指して誕生した仮想通貨であることを説明しました。

同じようにビットコインから生まれた仮想通貨があります。それがビットコインキャッシュです。ライトコインの競合となる仮想通貨で、混同されやすいものでもあるため、しっかりと比較しておきましょう。

ライトコインはあくまでもビットコインのコードを複製し、

・新しいハッシュアルゴリズム

・より早いブロック生成時間  (2.5分 = BTCの1/4)

・より大きな供給量  (8400万LTC = BTCの4倍程度)

を確保した仮想通貨です。

一方で、ビットコインキャッシュはビットコインのネットワークの取引手数料が、急激に高騰したため決済の遅延が発生したことを受けて、ハードフォークという手段をとって生まれた仮想通貨です。

ビットコインキャッシュはフォークを実施したことで、

・ブロックサイズの制限を1MBから8MBに拡大

・トランザクション量も4倍から8倍の処理が可能

と仕様変更により機能性が高められた仮想通貨です。

ライトコインとビットコインキャッシュはともに、同じビットコインから生まれた仮想通貨ですが、ブロックサイズと生成時間など、改善点はそれぞれ違います。

主にライトコインとビットコインキャッシュの違いを比較すると、以下のようになります。

 

ライトコイン

ビットコインキャッシュ

時価総額

約 5,500億円

約7000億円

発行上限枚数

8400万枚

2100万枚

平均取引手数料

$0.01

$0.004

ブロックサイズ

1MB

32MB

ブロック生成時間

2.5分

10分

※上記データは2022年10月26日時点

同じようにビットコインから生まれたアルトコインですが、供給量や時価総額も異なります。一方で、供給量は両方ともビットコインよりも多くなっています。

実用的な通貨になるためにはボラティリティをなるべく小さくした方が良いため、供給量を増やしています。

ブロックサイズがBCHは今や32MBもありますが、正直なところ現在のトランザクション量から考えるとその優位性が全くと言っていいほど力を発揮できていません。

2022年10月まで直近3ヵ月のトランザクション量は

  • ライトコイン: 約21万~9万
  • ビットコインキャッシュ: 約3万5000~1万7000

程度です。ビットコインは直近3ヵ月のトランザクション量が約30万~20万であることと比すれば、トランザクション関連の機能性を改善したはずなのに浸透度が非常に小さく、せっかくの手数料の安さ・トランザクションの速さといったメリットをあまり活かせていないことが分かります。

正直この二つのコインは表に出したような指標や誕生の仕組みくらいしか差異がありません。一方、トランザクション量はライトコインが大きく差をつけ、ビットコインに肉薄しています。

PayPayやメルペイなど電子決済が当たり前になってきつつある現代社会で、今後も追っておくべき仮想通貨でしょう。

では次に、ライトコインの特徴について書いていきます。

世界初のセグウィット実装

世界初のセグウィット実装

ライトコインのひとつの特徴としてセグウィット(Segwit)が挙げられます。セグウィットとは、簡単に言えば電子署名の部分だけをデータ格納から分離することです。

仮想通貨であるビットコインやライトコインのブロックのサイズは、1MBと決められています。ブロックには複数のトランザクションが記録され、チェーンにつながることで取引が承認されることとなります。これがブロックチェーンの仕組みです。

1MBの容量の中で占める割合が大きいのが「署名」です。この署名によって取引が安全に進みます。これらをブロックの中ではなく、分離して管理するというのがセグウィットになります。

セグウィットはスケーラビリティー問題を解決するために必要とされました。セグウィットはスケーラビリティー問題を緩和する上で大きな効果を発揮しています。もともとブロックに備わっていた署名領域を分離して、ブロックの1MBをフルで使えるようにすることで、スケーラビリティー問題の解決につながります。

また、トランザクション展性を解決する効果もあります。

トランザクション展性とは、取引データを改ざんすることなしにトランザクションIDの変更によって二重支払いを引き起こすことが可能という脆弱性を示す言葉です。

例えばAさんがBさんに1BTCを送金した際、Bさんが受け取ったBTCを利用して買い物をしたとします。しかし、ビットコインでは取引が行われてから承認されるまでタイムラグが存在します。

仮に承認が完了する前にBさんが「Aさんから1BTCを受け取った」という記録のIDを改ざんしてしまうと、その後に行われたBさんが買い物をしたというデータはBさんの残高不足が原因で成立し得なくなります。したがってこの取引は無効になりますが、既にBさん商品は入手済みのため無料で商品を手に入れることが可能になってしまうのです。

セグウィットを導入することで、トランザクションIDを算出するデータも分離可能なので、こうしたトランザクション展性を活かした攻撃は受けなくなります。

ライトコインは、世界で一番早くセグウィットを導入し、実装を完了させています。これはライトコインのコミュニティーが健全であり、規模が小さく統率も取りやすいことから、ビットコインに先駆けて実装することが可能でした。

ライトニングネットワークの導入

ライトコインのもう一つの特徴として、ライトニングネットワークに対応しているということがあります。ライトニングネットワークとは、オフチェーン上でトランザクションを事前にまとめ、ブロックチェーン上に効率化したトランザクションを戻すことで少額で頻繁な取引(マイクロペイメント)を可能にする技術です。

例えば、1円未満の仮想通貨を送金すると、送金したい金額より手数料が大きくなります。しかし、ライトニングネットワークに対応していることで、ほぼ無料の送金手数料で送金が可能になります。本来であれば、ブロックチェーン上の取引を別の場所で処理する場合、第三者の監視が必要でしたが、ライトニングネットワークはその必要がありません。スムーズに処理することが可能ですし、トラストレスな送金であるため、安全性が下がることもありません。

ライトコインの将来性

ライトコインは、世界中の多くの取引所で取り扱いがあり、企業との提携なども進んでおり、決済範囲の拡大や決済手段の増加などに積極的です。時価総額も高く、日本のホワイトリストにも入っているため、今後も有力な仮想通貨と判断して良いでしょう。

先ほど紹介したライトニングネットワークを利用した決済システムも、今後どんどん増えてくることが予想されており、日常の中でライトコインの話題が出てくることも増えるでしょう。

ライトコインを決済手段として採用する企業が出てきた場合、ライトコインの価値は高まる可能性があります。

ビットコインよりも実用性に優れているポイントをうまく活用してくれる企業が出てくれば、ライトコインの話題も頻繁に上がってくることでしょう。

まとめ

今回は仮想通貨の中でもライトコインについて解説しました。ライトコインはビットコインほど有名な仮想通貨ではありませんが、価値としてはとても高く今後の成長にも期待ができます。

実際に日本国内の仮想通貨取引所のほとんどが取り扱っており、簡単に購入することが可能です。もし、気になるのであればライトコインを購入してみるのも1つの手段でしょう。

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