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なぜ大谷翔平のホームランに人は嫉妬しないのか…心の芯で「自分は成功していない」と思っている部分

 日本宗教連盟・理事であり、神道扶桑教・管長の宍野史和氏が嫉妬について語る。なぜ世界最強の野球選手となった大谷氏に、人は嫉妬しないだろうかーー。

※本稿は『運をつかむ心のほぐし方』(プレジデント社)から抜粋・再構成しています。

目次

なぜ他人の成功にあなたは喜べないのか

 他人の成功を喜べないという人は、心のどこかで、いや心の芯で「自分は成功していない」と思っている部分があるのだと思います。

 他人の成功うんぬんの前に、まずは自分の成功している部分を探し、自分の成功を認めることです。

 大谷翔平選手のホームランに嫉妬する会社員がいないように、まったく敵わない相手に対して嫉妬心は生まれません。逆に、「あいつ、またホームラン打ちやがった。クソ……」と大谷選手に対抗心を燃やす会社員がいたとしたら、不思議ですよね。他人の成功を気にして嫉妬するのは、少なくともその他人と同じレベルのところに自分もいると思っているからだ、と考えられます。

  つまり、自分も実はいくつかの成功を積み重ねながら、今の場所にいるということ。そこで問題となってくるのが、「何をもって成功とするか」です。

上手くいったことも上手くいかなかったことも

 百億円の札束に埋もれながら夜眠ることが成功なのか。はたまた、メジャーリーグで特大のホームランを打つことが成功なのか。

 おそらく、多くの人にとっては次元の違う話で、このどちらかを実現できていないからといって、失敗にはならないはずです。

 冷静に今までの人生を振り返ってみてください。結構、成功しているのではないでしょうか。

 上手くいったことも上手くいかなかったことも、それらの原因は、少なからず自分が起因しています。上手くいかなかった経験を振り返ると、「あんな判断をしなければ」と思うかもしれません。

 けれど、その判断を下したのは自分自身です。自分の判断に従い、その結果として起きたことならば、それは成功と呼ぶこともできるのではないでしょうか。

人生というのは成功の連続なのです

 ただ、結果として起こっている状況が、自分にとって辛いのか、辛くないのかという話です。辛いから失敗なのか、辛くないから成功なのか。そうではないと思うのです。

 成功と失敗の本質を考えてみると、自分が下した判断の通りに物事が進んでいれば、それはもう成功なのです。自分で下してきた判断を否定することは、とても悲しいことなのです。

 だから、人生というのは成功の連続なのです。辛い、辛くないは別にして、みんな思った通りに生きているのです。人間は人の話など聞いていない。人の忠告など聞いていない。自分が思った通りに生きて、その通りの人生になっているのなら、結果はどうであれそれは成功なのです。

 他人の成功を認められない人は、自分は失敗しているなんて思いなさんな。これはこれで成功だったと思えば、また見方が変わってくる。

「人生はどうにか〝しか〟ならない」

 それともうひとつ。

 「人生はどうにかなる」とはよく言いますが、正しくは、「人生はどうにか〝しか〟ならない」ではないでしょうか。

 人生とはそのような程度のものであり、執着をせずに、諦めをつけ、「さあ、次に行ってみよう」と思うくらいでよいのです。

 衆議院議員秘書時代の後輩に、血液の難病を患い、28歳で余命宣告を受けた男性がいます。大手術をしなければまず命はないし、その大手術が成功したところで、命の保証もない。元々、適当な性格の男だったのですが、そればかりは絶望の淵に立たされた気持ちだったはずです。

 しかし、セカンドオピニオンで訪れた医師が非常に考えの柔軟な人だった。その医師は、「この数値を10万上げたら標準値になるけども、2万上げるだけでも生きていくことは全然できる。10万上げるには骨髄移植をして、生死を懸けなければいけないけれど、そんなことする必要ない」と言うのです。

「念」を「残す」と書いて、「残念」と言います

 そして、飲み薬を服用するだけの治療をしたら、なんと1週間で数値が10万上がってしまった。その医師もまた、「上の言うことは一切聞かないし、突然1カ月イタリアに旅行に行ってしまう」というような適当な性格だったのですが、そんな人の一言で、余命宣告を受けた男があっという間に完治したのです。

 もう死ぬことを覚悟していたくらいなので、その後輩にとって28歳以降の人生は、おまけでしかありません。彼は、秘書の仕事は辞めて、「残りの人生おまけ~」なんて言いながら、雑誌編集者に転職しました。

 余命宣告でも受けない限り、ここまで開き直ることは難しいかもしれませんが、そのくらい執着を捨ててみてもいいのではないでしょうか。

 「念」を「残す」と書いて、「残念」と言います。そんな、残念だなんて思わないこと。情念を残さないこと。念を手放さないことには、手にできないものもあるのです。

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