キラの、いや羽生結弦の肩にトリィがいる…憑依とその叙情性の発露、その瞬間 Meteor -ミーティア- FaOI2024

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誇るべき日本のサブカルチャーから、「迫真」のプログラムに
それでもキラは、その美しき白の存在、ガンダムで戦い続ける。
羽生結弦はこの作品を、ガンダムを、キラを見事な解釈で昇華し、氷上芸術に結びつけた。
この国が培い、多くのクリエイターたちが生み育て、成功したり、失敗したり、ときに若くして命を散らしたりして作り上げてきた現代の日本文化――この国のサブカルチャーとは誇りうるべきもので、それを少年期からの実体験として、その類まれな、ときとして危ういほどの感受性を以て体験、体現してきた羽生結弦もまたよくわかっている。
だから常にそのプログラムは「迫真」にある。
羽生結弦自身もまた、自分が一番好きなことを一番、努力する
ゆえに彼は「ガチ勢」とも呼ばれる。音楽も、ゲームも、アニメも「ガチ勢」としてそれぞれの側からも受け入れられるどころか「これほどとは」と喜ばれてしまう。人気作品に乗じて「エアプ」で滑るスケーターとは違う。明らかな「ガチ勢」だ。