「時給1000円にしろ!」議員の所得増に国民憤激「自分らだけ賃上げ」…「定額減税」は事業者が悲鳴、専門家意見にも怒る無能自民議員

今月から実施される「定額減税」。給与所得者の場合、1人当たり4万円(所得税3万円、住民税1万円)を源泉徴収される税金から差し引くものだが、各社世論調査では「期待しない」「評価せず」という声が多く上がっている。経済誌プレジデントの元編集長で作家の小倉健一氏が「定額減税」の不可解な点を指摘する――。
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定額減税は「かったるい制度」である
「定額減税」は、「減税」の名前を冠しているが、実態はただの給付金・補助金の一種と考えてもいい。補助金や給付金としてばら撒くと批判を浴びる上に、政策決定当時は「増税メガネ」と揶揄されていたので、その批判を回避するためにあえて「減税」に偽装した政治工作をしたということになる。煩雑な手続きをさせられた企業や組織にとっては、迷惑な話だが、政治家とはそれほど「メンツ」を大事にする職業である。
読者の多くは興味がないだろうが、メンツの話をする前に、いかに定額減税が腐った制度化を述べたい。かったるい制度論なので飛ばし読みしてもいいかもしれない。
会社員ばかりにメリットがある謎システム
「定額減税」は、一定額が所得税と住民税から控除される仕組みだ。控除とは本来支払うべき税金を直接減らすものだ。なので、そもそも税金を支払っていない人には控除はないのだが、今回は、定額減税の対象にはならない住民税非課税世帯と住民税均等割のみ課税世帯には給付金が支給されるということだ。この定額減税導入の手間暇は、各事業者を引き受けることになった。