「岸田首相、8月退陣表明論」迫るXデー! “頼む、瀕死の日本を救ってくれ”小泉進次郎総理説…国民目線のバカを集めて改革実現を

都知事選やパリオリンピック中は国民の永田町に対する感心が薄れたためか、一部メディアで内閣支持率が上昇した。例えば毎日新聞が7月20、21日に実施した全国論調査では、岸田内閣の支持率は6月比4ポイント増の21%と2カ月ぶりに20%台を回復。就任当初「決められない総理」などと揶揄された岸田総理は「何もしないから欠点もない」とういことで、順調に支持率をあげていた。「無策無敵」だったわけだが、ある意味その時に似た現象が意味起きているのかもしれない。
しかしその後は旧統一教会問題、自民党の裏金問題などが話題になると、支持率は大暴落。補選で自民党系の候補が連敗すると、都知事選では大敗を恐れて党独自の候補すらたてなかった。そんな状況で自民党議員からも不満の声があがる。そしてついに「岸田退陣説」が永田町で囁かれるようになった。
元プレジデント誌編集長で作家の小倉健一氏によると「8月中には意志表示するかも、と噂が流れている」という。では次の自民党総裁、日本の総理大臣は誰になるのか。小倉健一氏が解説するーー。
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これまで無視してきた党内の不満を受け止めて、退陣を表明するのではないか
「自民党の国会議員の中には、まだ緊張感が足りない人もいるが、地方組織からは選挙での連敗が続き、岸田政権に対して『NO』の声が高まっている。しかし、8月の中央アジアへの外遊後、これまで無視してきた党内の不満を受け止めて、退陣を表明するのではないかと『期待』する声も出ている」(菅義偉前首相に近いグループの衆議院議員)
長期間にわたり支持率が低迷し、選挙に負け続けている岸田文雄首相に、いよいよ終わりの時が近づいているのかもしれない。振り返れば、同じく支持率が低かった前政権(菅内閣)に対して「国民の声が届いていない」と批判し、引き摺り下ろして発足したのが岸田政権だ。自身の公約通りに「国民の声」を聞いて、早々に退陣すれば良かったのに、粘り続けてここまで長いだけの政権を維持してきた。
低支持率ながらせめて保守層の歓心を買おうとして主張をはじめたのが「憲法改正」だ。保守系ジャーナリスト櫻井よしこ氏は、この一点で岸田首相を信じたようだ。
本気で憲法改正を9月までにやるなら、のんきに外遊などしている場合ではない
〈(こうした発言をすると)「櫻井さんはまだ岸田総理を信じているの?」って、もうとっくの昔に見放してもいいんじゃないかっていうお叱りを受けるんです。でも、皆さん、岸田総理が繰り返し繰り返しおっしゃって、「憲法改正、私の任期内でやります」「9月が(総裁)任期いっぱいです」「それまでに憲法改正やる」っておっしゃってて、今まで一度もやりませんということはおっしゃっていません。(岸田総理は)政治家です、一国の宰相です。この言葉を信じないでどうやって政治を動かしていくのか〉(5月3日開催「頑張れ日本!全国行動委員会」での発言)
しかし、櫻井氏は岸田首相に完全に裏切られる形となった。もう8月だ。本気で憲法改正を9月までにやるつもりなら、のんきに外遊などしている場合ではないだろう。
〈茂木(敏充。自民党幹事長)は十日に東京・丸の内のパレスホテルで行われた経済再生担当相、新藤義孝の子息の結婚披露宴に出席した際、岸田が意欲を見せる憲法改正への取り組みを聞かれると、「我々は段取りを整えているのですが、ここの人が言うことを聞かないんです」と、ついさっきまで岸田が座っていた席を指差した〉(月刊誌「正論」8月号『永田町事情録』)
岸田政権に失望したのは保守派だけではなく、改革派からも非常に不満が多い
と、上記のような”証言”も飛び出している。岸田首相が憲法改正に本気で取り組む気がなかったことは明らかだ。岸田政権に失望したのは保守派だけではなく、規制緩和を求める改革派にとっても、非常に不満の多い政権運営だった。日本では毎年50万人規模で労働力人口や就業者数が減少しており、このままではどの業界でも人手不足が深刻化するのは避けられない。さらに、労働者一人当たりの労働時間も減ると予想されている。
こうした状況で重要なのは規制緩和である。例えば、ライドシェアを認めることで、普通運転免許を持っている人がすぐに仕事を始められるようになる。日本以外の先進国では、ライドシェアで仕事をするのは当たり前のことだ。地域の失業率が改善し、タクシーより事故が少ないこともわかっている。
しかし、岸田政権はタクシー業界の反対を受けて、ライドシェアの全面解禁すらできなかった。この政権にはこれ以上の改革は期待できないだろう。
菅義偉に見放された河野太郎、党内人気が低い茂木敏充
こうした改革が進まないのは、業界団体の声にばかり耳を傾ける自民党の体質に原因があると思う。私は政権交代が必要だと考えるが、野党が頼りないという理由で岸田政権を支持する人たちもいるようだ。しかし、そうした人たちでも、自民党内での政権交代、つまり総裁選でのリーダー交代なら受け入れるだろう。もし岸田首相が国民の声に応えて退陣するとなれば、次に誰が総裁になるのかに焦点が移ることになる。
河野太郎氏は、菅前首相から見放されたようだ。茂木敏充幹事長も党内での人気が低い。全国紙の記者は次のように説明している。
「河野氏は政治改革や裏金問題の際に、麻生太郎氏の顔色をうかがい、菅氏や小泉進次郎氏と距離を取った。また、デジタル庁での失敗も多く、今回は厳しい状況であることを本人も理解しているようだ。彼は『明智光秀にはならない』と繰り返し言っているが、実際には明智光秀のような行動を続けているのは滑稽だ。自派閥さえまとめられていない」
筆者は、デジタル庁での迷走と失敗を繰り返している河野氏に期待を持っていない。デジタル庁での失敗、例えば自治体クラウドの問題やマイナンバーカードの混乱など、河野氏の責任は大きい。彼はこれまでの失策を少しは反省すべきだ。なぜ、あんなに自信満々なのか得体がしれず、正直、怖い。