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2016年トランプ当選予言者「これからアメリカの保守化が急速に進む」もしトラ政権を左右するたった一つの超重要人事

 11月5日にアメリカの大統領選の投票が行われる。有権者はドナルド・トランプ前大統領(共和党)とカマラ・ハリス副大統領(民主党)のどちらを選ぶのか。2016年の大統領選でトランプの大統領当選予測を見事的中させた国際政治アナリストの渡瀬裕哉氏に、今回の選挙のキーポイントについて聞いたーー。みんかぶプレミアム特集「儲かるアメリカ」第2回。

目次

米大統領選は、接戦州7州を制したほうが実質的に勝利者となる

 2024年、アメリカ大統領選挙が最終盤を迎えている。世界の覇権国家のトップがトランプ・ハリスのいずれになるか、世界中の人々が注目している状況だ。日本でも大統領選挙に関する報道が増えており、その報道内容の精度も10年前と比べて格段に上がっている。そのため、本稿ではアメリカ大統領選挙に関する単純な分析ではなく、上下両院連邦議会議員選挙及び共和党上院院内総務選挙まで含めた、立体的な政局構造を踏まえた視座から「2024年大統領選挙後」のアメリカの姿を読者諸氏に提供する。

 本稿執筆現在(10月29日)、RealClearPoliticsの全米支持率で、トランプがハリスを僅かに逆転した状態にある。ただし、米国大統領選挙は全米50州に割り振られた270人の選挙人数の取り合いである。そのため、全米での投票数に関わらず、両者の実力が伯仲し激戦となる接戦州7州を制したほうが実質的に勝利者となる。

 接戦7州とは、ラストベルトに属するペンシルベニア州、ミシガン州、ウィスコンシン州の3州とそれ以外のノースカロライナ州、ジョージア州、ネヴァダ州、アリゾナ州の4州だ。現在、この7州全てでトランプがハリスを微妙に上回っているものの、統計の誤差の範囲内とも言えるため、数字上はほぼ互角の戦いが継続している。

最後の瞬間までわからない勝負

  一方、世論調査は過去2回の2016年、2020年の傾向として、民主党側に有利に働くバイアスが確認されている。そのため、今回の選挙でも同様の傾向があると仮定した場合、トランプがハリスに対して若干、優勢な状況となっていることが示唆される。ハネムーン期間終了の影響など、ハリスの勢いが10月半ばから急速に衰え始めたこともあり、現在の勢いはトランプ側に味方している。

 しかし、トランプ・ハリスの勝負の行方は依然として流動的であり、最後の瞬間まで勝者を断言することは難しい。そのため、今回の2024年選挙イヤーでは大統領選挙以外の状況まで加味し、その後の展開を予測することが重要となってくる。

2024年選挙イヤーで最も重要となる選挙は、連邦議会の上院議員選挙である

 実は、2024年選挙イヤーで最も重要となる選挙は、連邦議会の上院議員選挙だ。連邦上院の力は絶大であり、予算作成、立法機能、政府高官人事の承認権、条約の締結権などを持つ。したがって、同院で過半数を制することは政権の安定した運営に不可欠である。

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この記事の著者
渡瀬 裕哉

1981年生まれ。早稲田大学大学院公共経営研究科修了。 早稲田大学公共政策研究所招聘研究員、事業創造大学院大学国際公共政策研究所上席研究員。機関投資家・ヘッジファンド等のプロフェッショナルな投資家向けの米国政治の講師として活躍。2016年トランプ大統領当選、2020年民主党による大統領・連邦上下両院勝利を正確に予測し、米国政治に関する分析力に定評がある。『メディアが絶対に知らない2020年の米国と日本』(PHP新書)、『2020年大統領選挙後の世界と日本 』(すばる舎)、『なぜ、成熟した民主主義は分断を生み出すのか』(すばる舎)

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