中学受験本番直前「一番NGは第一志望校の対策」…有名塾代表がぶっちゃける「志望校合格に一気に近づく学習法」

受験直前期、わが子の体調管理や学習の追い込みなど、どの家庭も気を配りたい点は数多くあるはずだ。「合否を分けるこの時期だからこそ、気を配るべきは親子関係と子供の疲労だ」と語るのは、伸学会代表の菊池洋匡さんだ。
「11月以降は親が精神的に焦りやすい時期です。受験まで残り3ヶ月しかないのに、子供はなかなか本気になってくれないもの。そのため、子供に対して無理をさせたり、口調が厳しくなったり、口うるさくしてしまったりします。しかし、こうした親の行動は子供の成績急落の引き金になりかねません」
実際にこうしたことが理由で、子供の成績が急落してしまう家庭は毎年いるという。
「最後の3ヶ月、子供のモチベーションを高めるようなコミュニケーションを取り、無理のない学習をさせることができれば、成績は最後の最後まで伸び続けます」
親子関係を崩さず、ラストスパートをかけるにはどうすればよいのか。どう働きかければ子供のモチベーションを高められるのか。メンタルケアを中心に効果的な指導法について詳しく伺った。全3回の1回目。
目次
子供が焦らない根本の理由
「受験まで残り3ヶ月」、そう聞いて焦らない親御さんはいません。偏差値がいくつ足りないとか、過去問が解けないとか、まだ仕上がっていない単元があるとか、さまざまな課題が頭をよぎります。
しかし、多くの子供は「受験まで残り3ヶ月」と聞いてもあまりピンと来ません。それは子供にやる気がないからではなく、そもそも大人と子供で体感時間が全く違うのです。子供にとって「3ヶ月後」はかなり先の予定に感じられるため、現実感が湧きません。
親が「あと3ヶ月しかないのに、うちの子は何をぐずぐずしているのか」と怒ってみても、子供からすれば「なんで急にイライラし始めたのか」と理解できません。認識がこれだけズレているのですから、大人が口酸っぱく怒っても無駄です。
親にとってはどうしても焦りや苛立ちが募る時期ですが、一歩引いた視点で、自分の子供に対する働きかけが効果的かどうか、冷静に見つめ直してみてください。
子供の成績を最後まで伸ばすには
子供に残り3ヶ月間、効果的に頑張ってもらう方法としてまずおすすめなのが、「達成できそうな短期目標を立てる」ということです。
まず、親子で過去問や模試の結果を見ながら、合格点まであと何点必要かを確認します。次に、そのために学習する参考書や復習する問題を決めていきます。
この時期に大事なのは、問題を数多くこなすことではなく、できない問題を確実にできるようにすること。あまり欲張り過ぎず、できるようになりたい問題を選んで着実にできるように復習しましょう。