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月刊Hanadaの元編集者が指摘「ファクトチェック団体の問題」…文春訂正を見つけたのは橋下氏、記事化は楊井氏

(c) AdobeStock

 元SMAPメンバーでタレント・中居正広氏の問題を巡り、週刊文春が一部記述を訂正していた。そのことを指摘したのは橋下徹氏であり、さらにその指摘をもとに書かれた楊井人文氏の記事が大きな反響を呼んでいる。なぜGoogleやLINEヤフーから多額の支援を受け続けている日本ファクトチェックセンターではなかったのだろうか。月刊Hanadaと月刊WiLLの元編集者で『「“右翼”雑誌」の舞台裏 』(星海社)の著者でもある梶原麻衣子氏が語るーー。

目次

文春の訂正を世に広めたのは楊井氏の記事

〈世の中の「ほんとう」がわかります〉――キャッチフレーズにそう掲げるのは文春オンラインだ。その文春オンラインにも記事を出している週刊文春が、皮肉にもファクトチェックの洗礼を浴びることになった。

 記事は昨年末から話題の、元SMAPメンバーでタレントの中居正広氏が、フジテレビ局員のⅩ子さんと何らかのトラブルを抱え、そこに同じくフジ局員でX子さんの上司に当たるA氏が関与しているという疑惑を報じたものだった。そのA氏のかかわり方についての表現が「こっそり」変えられていたと指摘されたのである。

 指摘したのは橋下徹氏。具体的な経緯はこの件を記事化している楊井人文氏のyahoo記事を参照されたい(https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/191f61880348ac4c9ea706bdbcf93316d33dbea0)。文春オンラインの電子版オリジナル記事だった橋下氏の記事だけでは多くの人が週刊文春の表現修正に気付かなかったところ、楊井氏が記事化したことで多くの人々の知る処となった。

 しかも、1月27日にフジテレビが驚異の「10時間釈明会見」を行ったことが話題になっていた中、28日朝に楊井氏の記事が公開されたため、大きな波紋が広がった。報道各社も後を追うように報じ、週刊文春も改めて編集部コメント、そして編集長による「フジテレビ・中居問題 記事の訂正について」というお詫びを発表することになった。

 その変遷の核の部分は次の点だ。

〈昨年12月26日発売号では、事件当日の会食について「Ⅹ子さんはフジ編成幹部A氏に誘われた」としていました。しかし、その後の取材により「Ⅹ子さんは中居氏に誘われた」「A氏がセッティングしている会の“延長”と認識していた」ということが判明したため、1月8日発売号(第2弾)以降は、取材成果を踏まえた内容を報じてきました〉

ブラックボックスが開かれたところで……

 ただ、お詫びではあるものの、週刊文春竹田編集長は〈第2弾以降で報じてきた通り、事件直前、フジ編成幹部のA氏はⅩ子さんを中居氏宅でのバーベキューに連れて行くなどしています。またⅩ子さんも小誌の取材に対し、「(事件当日の会食は)Aさんがセッティングしている会の“延長”だったことは間違いありません」と証言しています。以上の経緯からA氏が件のトラブルに関与していた事実は変わらないと考えています〉

 これについて、「訂正前後で、A氏やフジテレビの関与については全く意味合いが変わる」という意見もあれば、週刊文春の意見と同様に「本質的には訂正前後でフジやA氏の責任に変化はない」とするもの、週刊文春は訂正を出す必要はなかったとするものまで、様々意見が分かれている。

 そもそも当事者である中居氏とX子さんが示談していることで「(二人が認識している)事実関係を話すことができない」状況になっている中では、肝心の部分がブラックボックスになっているため、実際のところはわからない。というか、ブラックボックスが開かれたところで、中居氏とX子さんの認識が食い違っている可能性もある。

 そういう状況にあるだけに、世間的には各種記事に書かれている周囲から漏れ伝えられる情報、当事者から核心に触れない形で発せられるメッセージを読者がおのおので「解釈」し、ブラックボックス部分は自らの想像によって埋める形で事件の全体像を認識するほかない。

記者会見にきていた記者たちは文春の訂正を把握していたのか

 これ自体がどうかと思うが、さらにどうかと思うのはフジテレビ会見で役員を糾弾していた記者らの認識だ。週刊文春の記事は最低限、読んだうえで来場したに違いないが、記事のトーンの変遷にどのくらいの記者が把握していたのか。気づいていて「本質的にはフジテレビの責任に影響なし」と判断したのか、そもそも気づいていなかったのか。

 これは恐ろしいことである。確かに書いてあったことを読んではいただろうが、気づかなかったか、大したことではないと判断していたものが、こうしてファクトチェックによって記事のトーンの変遷を指摘され、大きく報道されたことによって、議論の行方が大きく変わりつつあるのだ。

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