「エヌビディア株は、株価が下がったら買い増しすべし」米国在住有名投資家が最終通告。2025年米国株大躍進シナリオぜんぶバラします

本稿で紹介している個別銘柄:エヌビディア(NVDA)、アルファベットA(GOOGL)、アマゾン(AMZN)、Spotify(SPOT)、アップル(AAPL)、テスラ(TSLA)
米国株式市場では、マーケットを牽引する巨大テック企業「マグニフィセント・セブン」(M7)をはじめとする主要企業の決算発表がひと段落を迎えた。過去最高益を叩き出す企業が登場する一方で、成長の勢いが鈍化し、期待を下回る結果に終わった企業も見られるなど、明暗がはっきりと分かれる展開となっている。
さらに、トランプ政権下での政策の影響もあり、株価の変動が落ち着かない状況が続いている。こうした不透明な市場環境の中、投資家はどう動くべきなのか。
今回は、米国在住の投資家・ぶたまる氏(X:@Butamaru_Butako)に成長株の決算状況と今後の見通しについて話を伺う。
みんかぶマガジンプレミアム特集「今こそ米国株へ投資だ。資産構築の羅針盤」全2回の第1回ーー。
※2025年3月25日取材
目次
AI活用で広告効率が大幅アップ、成長株メタが高い注目のワケ
ーー成長株の決算内容と見通しについてお聞かせください。
まず、メタの2025年最新決算では、AIを活用した広告効率の向上が際立っています。売上とEPSは市場予想を上回り、2024年の利益率は38%に達しました。これはS&P 500の平均12%の3倍で、ROEも48%とエヌビディア(NVDA)に匹敵する高パフォーマンスです。
現在の株価も626ドル(終値ベース)、時価総額は約1.3兆ドルと、成長株として注目度が高いですね。
ーー競合企業と比較していかがですか?
競合と比べると、メタの強みがよくわかります。アルファベットA(GOOGL)は時価総額1.8兆ドル、アマゾン(AMZN)は2.2兆ドルと規模は大きいですが、AI技術の導入でメタの方が一歩リードしてるんです。
メタは広告向けAIを迅速に展開してるのに対し、アルファベットやアマゾンはユーザー向けAI開発で少し遅れが目立ちます。そのうちにSpotify(SPOT)などの新興企業にシェアを奪われるのではないでしょうか。メタの小回りが効く経営は、競合の脅威を跳ね返す大きな強みだと感じています。
ーーメタの小回りが効く経営が、競合企業を圧倒する好業績の秘訣なのですね。
次四半期のガイダンスが少し心配ではありますけど、今の米国経済が景気後退に陥っていない限り、メタのサービス業としての安定性が支えになると思います。
オープンソースの大規模言語モデル(LLM)を活用して、低コストで対応できるのもいいですよね。ただ、海賊版書籍を使ったAI訓練疑惑で裁判が進行中なんです。
今後の展開については見極めが必要ですが、アルファベットやアマゾン、アップル(AAPL)が抱える規制問題に比べれば、そこまで深刻じゃないと見ています。
メタは年間投資額と同規模の自社株買いを積極的にやってるので、株価が調整局面に入っても買い増しのチャンスがあるのは好材料ですね。
政治的な視点でも興味深い動きがあります。メタは「コミュニティノート」というSNS投稿に利用者が注釈を付けられる機能を導入して、コストを抑えつつトランプ政権に好印象を与える戦略を取っているのです。
トランプ氏は、ドネーションの有無で企業への態度を決める傾向があると言われていて。この特徴を考えると、投資先を選ぶときに「どの企業がドネーション(※)しているか」をチェックするのも一つの手かもしれませんね。
※寄付、寄贈、贈与、助成などを意味する