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「それでもお米は高いと感じますか?」JA全農新聞広告に「買い占めたお前が言うな」の声…自己改革を後回しに「ご理解ご協力」求める

(c) AdobeStock

 日本人の主食であるはずのコメ。そのコメの価格が高騰し、家計を圧迫している。そんな中で日経新聞が気になる記事を掲載した。「『1食』のコメ価格、パンの2倍」。コメがどんどん高級品になってきている。そんな中で山形新聞に掲載されたJA全農山形が「ごはんお茶碗1杯の価格は約49円 菓子パン:約231円、カップ麺:約187円、ハンバーガー:約231円 それでもお米は高いと感じますか?」という広告が物議を醸している。ネット上には「買い占めたお前が言うな」「こんなくだらない広告打つぐらいならその金を流通に回せ」などの厳しい意見がみられる。経済誌プレジデントの元編集長で作家の小倉健一氏が解説するーー。

目次

それでもお米は高いと感じますか?

 2025年春、国内の食卓に異変が起きている。国産米の価格が前例のない水準まで高騰し、家計を直撃しているなかで、JA全農山形が山形新聞(4月27日朝刊)に掲載した全面広告が、消費者の間で物議を醸している。

 広告にはこうある。

「今日のあたりまえが、未来へもつながるように。ごはんお茶碗1杯の価格は約49円 菓子パン:約231円、カップ麺:約187円、ハンバーガー:約231円 それでもお米は高いと感じますか?」

 一見すれば、生活者の誤解を解こうとする穏やかな啓発活動のようにも見える。だが、表層的な呼びかけの裏には、別の論点が潜んでいる。提示されている比較対象の恣意性、そしてその選定に隠された意図を読み解けば、この広告は、単なる価格広報を超えた「イメージ誘導装置」としての性質を帯びている。

 問題は、「ごはん1杯=49円」という数字の位置づけである。この価格がどのような量を基準にしているのか明示されておらず、一般的には150g程度のお茶碗1杯を想定していると見られる。しかし、それを菓子パンやカップ麺、ハンバーガーと並べて単純に比較することには無理がある。栄養価、主成分、食事としての役割が大きく異なるこれらを「単価」で並列に評価すること自体が、そもそも適切とは言いがたい。

 素朴な疑問が浮かばないのだろうか。私は、一読して、ごはんの上にハンバーグを載せたら、それはもう「ごはん49円」では済まないと考えた。主食と主菜を組み合わせる形が自然な食事構成である以上、ハンバーガーや弁当とごはん単品を比較するのは、“価格が安いように見せたい”という意図に基づく設計と見られても仕方がない。

「お米が高くなった」という感覚は、単なる印象ではない

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