「なんとなく解ける」「地頭が良い」は危険!親子で生み出す停滞期から成長期の転換法

中学受験塾に通わせると何より気になるのが「偏差値」だ。志望校の偏差値はいくつなのか、うちの子の立ち位置はどうなのか、どうやったら上がるのか。
そんななか、まず目指すべきは「偏差値55」を安定的に取ることだと中学受験インフルエンサーのオレンジ先生は提案する。
「偏差値55は受験者全体の上位3分の1にあたります。ここに到達すれば、7割以上の学校が志望校として射程圏内に入ってきます。偏差値60以上の学校へのチャレンジも見えてくる。偏差値55を超えれば、中学受験をさせて良かったと思える場面がかなり増えるはずです」
とはいえ、限られた子たちだけがチャレンジする中学受験において、偏差値55は多くの保護者が思っている以上にハードルが高い。
今回は中学受験で偏差値55を安定して取るための学習法について伺った。全3回の第3回。
目次
見えてくる難問突破の分かれ道
小6の場合、今から頑張っても偏差値の大きな伸びを期待するのは厳しいでしょう。一方、小4・小5であれば、まだ本気になっていない受験生も多いので、十分逆転や逃げ切りが可能です。
小4・5年生がやるべきことは、非常にシンプルです。塾の課題をおろそかにせず、地道に丁寧に積み重ねていくこと。これさえしっかり押さえておけば、特別な才能はなくても上位校に手が届く偏差値55というラインは見えてくるはずです。
小4・小5は、いわば“受験に必要なパーツを集める時期”。この時期に一つひとつの単元をしっかり習得しておけば、小6でそれらを“組み合わせた学習”に入ったときに、ぐんと成績が伸びていきます。
時間にゆとりのある小4・小5のうちに、焦らず丁寧に、一つひとつに取り組んでほしいですね。たとえば、樹形図を習った通りに綺麗に描けるか、図形を丁寧に描くことができるかといった問題を解く前の基礎が大事です。
こうした一見地味な積み重ねが、最終的に難問を突破できるかどうかの分かれ道になります。
気をつけてほしいのが、地頭がよく感覚的に解けてしまうタイプの子です。こうしたタイプの子は、宿題を軽視したり、あやふやな理解でもテストでなんとなく解けてしまいます。
しかし、その“なんとなく”は徐々に通用しなくなります。6年生になった途端、成績が急落してしまう子も多いのです。地道な学習の成果は必ず6年生でかえってきますし、手を抜いたツケも6年生で回ってきます。