離婚で数千万円を取りこぼす…大損しやすい女性の共通点と、最初から「離婚したい」と言ってはいけない理由
「もう無理」と感じた瞬間に、すぐ行動してしまう——その一歩が、大きな損につながることがある。離婚は感情で決断するものだと思われがちだが、実際には“情報と準備”で結果が大きく変わるものだ。怒りや不安のまま動いた結果、本来もらえるはずだったお金を取りこぼしてしまうケースは少なくないという。
数多くの離婚相談を受けてきた岡野あつこ氏は、「感情で動くと、交渉力を自分で捨てることになる」と警鐘を鳴らす。では、なぜ感情で動くと不利になるのか。そして、損をしないためには何から始めるべきなのか。今回は岡野氏に、後悔しないために押さえておくべき基本戦略と離婚で損をしやすい人の共通点について話を伺った。全4回の第1回。
みんかぶマガジン連載「絶対に損はしたくない!泥沼離婚のマネー戦略」第1回
目次
数千万円を見逃すことも…もらえるお金が消える「絶対に間違えてはいけない順番」
——離婚を決意したら何から手をつければいいのでしょうか。
「順番がすべてです。まず①家計・資産の把握、次に②証拠の確保、③専門家への相談、そして④行動。この順番を間違える方がとても多くて、いきなり専門家に相談したり、行動を先に起こしてしまう方がいます。弁護士に依頼を決めたとわかると、夫が資産や証拠を隠したり、対策を考える隙を与えてしまうことになります」
——資産の把握というのは、具体的にはどんなことですか?
「預金、保険、年金記録、不動産、そして借金です。借金を見落とす方が多くて、例えば2人の共有財産が1000万円あると思っていたら、実は夫が親から500万円借りていたということもある。もらえる額が急激に少なくなります。夫名義の口座や不動産を把握できていなかったために、数千万円の存在を見逃してしまったケースも実際にあります。知らないと、もらえないことになってしまうんです」
「感情的に動く方は、こういった細かい計算をなかなかできません。早く出たい、もう嫌だという気持ちが先に立ってしまう。でも、離婚してから生活費が足りないと気づいても、そこから立て直すのはとても難しい。だからこそ、まだ婚姻関係が続いている間に、しっかりと準備することが大切なんです」
離婚は「別れるかどうか」の問題ではなく、「どう別れるか」の問題だ。感情と行動の間に、どれだけ冷静な判断を挟めるか。それが、損をする女性と損をしない女性の分岐点になる。
焦りが最大の敵。離婚で大損しやすい女性の共通点
——離婚で損をしやすい方に、共通することはありますか?
「感情が爆発した瞬間に動いてしまうケースが非常に多いです。例えばこういうことがありました。夫に貯金を使われたら大変だと誰かに言われて、慌てて1日50万円ずつ下ろし始めたところ、夫に見つかってしまった。結局、残っていたお金を全額下ろされてしまい、さらに婚姻費用まで止められてしまったというケースです」
——守ろうとしたお金を、逆に全部持っていかれてしまったと。
「まさにそうです。バレたらどうなるか、夫がどう出るかを考える前に体が動いてしまった。感情で先に動いて失敗してしまった典型的なパターンです。夫に使われたら大変という気持ちはわかりますが、バレたらどういうことが起こるかをまず考えなければなりません」
離婚を考え始めたとき、多くの女性は「とにかく今すぐ何かしなければ」という焦りに駆られる。しかしその焦りこそが、最大の敵になる。怒りや悲しみのまま動いた人ほど損をし、冷静に準備を整えた人ほど離婚後の生活を自分の手に取り戻せる。