1000万円→300万円損失からV字回復、“億り人”投資家が明かす「優良無名株」発掘法

株式投資において、誰も見向きもしていない「お宝銘柄」を見つけ出し、一攫千金を狙う投資家も少なくないだろう。しかし、そのような銘柄には株価の急落や企業の倒産といったリスクが伴うのも事実である。
一方で、低PBRや高配当、財務状況が良好でありながら、市場の注目を集めていない「優良な無名株」も存在するのだそう。
今回、フィーチャーする株式投資歴30年以上のベテラン投資家である株億太郎氏(@KabuokuTaro)は、こうした「優良な無名株」の発掘を得意としている。
本稿では、そんな彼の投資遍歴と投資におけるマイルールについて話を伺った。連載全3回の第1回。
(2025年6月2日取材)
目次
投資ルール知らないままスタート、そしてバブル崩壊
ーー株億太郎さんが株式投資を始めたきっかけを教えてください。
1980年代後半、バブルがピークを迎えていた頃の話です。会社の近くにあった山一證券が破綻して、世間が騒がしくなっていました。
そんな中、地元で「美人の証券外務員がいる」と噂の支店に、好奇心からふらっと訪れたんです(笑)。話を聞くには口座開設が必要だと言われ、勧められるまま株を購入しました。
株価は3万8000円から3万7000円くらいで、まさにバブル。投資のルールも知らないまま、10万円を投じたのが始まりです。半分は興味、半分は勢いでしたね。
ーーその後、どのように投資を続けられたのですか?何か大きな転換点はありましたか?
1990年ごろ、バブル崩壊とブラックマンデーで市場が急落しました。1000万円の投資が、わずか1年で300万円ほどに目減りしてしまったんです。
ショックで投資をやめようかと思いましたが、諦めきれず、投資信託の積み立てに切り替えてコツコツ続けました。
地元の小さな証券会社で口座を開き、窓口でのやり取りを通じて投資の魅力に目覚めたんですよ。
まるで映画のような豪快なトレードに憧れ、時には100万円単位で大胆に買ったこともありました。ですが、当時は知識が浅かったので、失敗も多かったですね。
ーーそこから転機はあったのですか?
転機となったのは、2000年ごろでした。私は会社を経営しているのですが、顧問税理士が投資に詳しく、彼にチャート分析やスクリーニングの基礎を教わったのです。
そこから「これまでの感覚頼みじゃダメだ」と一から学び直し、分析に基づく投資スタイルに変えました。それが、今の投資哲学の基盤になっていますね。
ーーそして現在にいたると?
そうです。株億太郎のアカウント名通り、今では資産が億以上あります。