「短期間で高い利益も」億り人となった著名投資家が明かす「市場が見逃す優良銘柄」の狙い方

本稿で紹介している個別銘柄:川崎重工業(7012)、IHI(7013)、モスフードサービス(8153)、日本マクドナルドホールディングス(2702)
株式投資において、誰も見向きもしていない「お宝銘柄」を見つけ出し、一攫千金を狙う投資家も少なくないだろう。しかし、そのような銘柄には株価の急落や企業の倒産といったリスクが伴うのも事実である。
一方で、低PBRや高配当、財務状況が良好でありながら、市場の注目を集めていない「優良な無名株」も存在するのだそう。
今回、フィーチャーする株式投資歴30年以上のベテラン投資家である株億太郎氏(@KabuokuTaro)は、こうした「優良な無名株」の発掘を得意としている。
本稿では、そんな彼の銘柄選定の極意や、「億り人」になる人の特徴や癖について話を伺った。連載全3回の第2回。
(2025年6月2日取材)
目次
PBR0.3〜0.4倍、株価100〜200円の「優良な無名株」
ーー株億太郎さんの銘柄選定の極意を教えてください。
私の投資の基本は、市場が見逃している優れた企業を見つけ、じっくりとその成長を見守ることです。
市場はしばしば、価値ある企業を過度に低く評価することがあり、そこにこそ大きな収益のチャンスが隠れていると考えています。
特に、株価が100円や200円台の低価格帯の銘柄に目を向けます。このような銘柄は値動きが大きく、短期間で高い利益を得る可能性を秘めています。
ただし、リスクを抑えるため、財務が安定している企業を選ぶことが絶対条件です。
ーーバリュエーションや企業の財務面では、どんな指標を重視していますか?
私は特に、株価純資産倍率(PBR)と自己資本比率に注目しています。PBRが0.3〜0.4倍で、時価総額が純資産を下回る企業は、市場から過度に売られすぎている証拠です。
たとえ一時的に赤字でも、自己資本比率が高ければ、経営が持ち直す可能性が高いんですよ。
こうした銘柄は、機関投資家が見逃しがちなニッチな分野に多いですね。親子上場企業や目立たない業界に、隠れた宝が眠っているんです。
例えば、川崎重工業(7012)やIHI(7013)は、2000年代にPBRが0.5倍を切っていた時期に投資しました。
その後2〜3年待つと、株価が数倍に跳ね上がり、大きなリターンを得られました。こうして市場が価値を認めるまで辛抱するのが、私の勝ちパターンです。