不動産のプロが「定期借地権マンション」に本音を吐露 価格が高騰しきった今マンションを買うのは“愚策”なのか…識者の意外な答え

都内マンション価格は高騰を続け、「もはや一般的なサラリーマンには手が届かない」という論調がメディアを賑わせている。しかし、YouTubeチャンネル「内見ゴリラの持ち家ジャパン」を株式会社ゴリラマウンテンと共同運営する不動産会社経営者・寺尾祥之氏は「明確な戦略さえあれば、資産価値の高い物件を購入し、勝ち組になることは十分に可能だ」と語る。
資産価値が落ちない物件の具体的な見極め方から、プロが注目するコストパフォーマンスに優れた都内の穴場エリアまで、後悔しないマンション購入の極意を同氏に余すところなく解説していただいた。全5回の第3回。
目次
不動産のプロが「定期借地権マンション」に本音を吐露
ここで、最近都心部で供給が増えている「定期借地権マンション」について、私の見解を率直に申し上げておきたいと思います。所有権の物件に比べて2割から3割ほど安く購入できるため、一見すると非常に魅力的に感じるかもしれません。しかし、資産性という観点から判断するならば、私の答えは「定借マンションはなし」です。
その理由は、やはり「出口戦略」を描くことが非常に難しいからです。まず根本的な問題として、定借は、定められた期間(多くは50年から70年)が過ぎたら、建物を解体して更地の状態で地主に土地を返還しなければなりません。つまり、土地はあくまで借り物であり、永続的に自分の資産にはならないのです。
これが、売却を極めて困難にします。例えば、残存期間が20年を切った物件を、多額の費用を払って買いたいと思う人がどれだけいるでしょうか。金融機関も、残存期間が短い物件への住宅ローンの審査には非常に慎重になります。
不動産会社が言わない“定借マンション”の不都合なカラクリ
さらに、住宅ローンの返済とは別に、毎月地主に支払う「地代」が発生します。加えて、将来の建物解体に備えた「解体準備金」の積み立ても必要となり、月々のランニングコストは所有権の物件よりも高くなるケースがほとんどです。
永住することを固く決意しており、割安な価格で好立地に住めるというメリットだけを享受したい、という明確な目的があるなら選択肢の一つになるかもしれませんが、「資産」としてマンションを購入しようと考えているサラリーマンの方には、私はあまりお勧めしません。