日本人が難民になる!ペロシの訪台で「米中戦争」勃発へ…個人レベルでできる準備

ペロシの行為は「任期最後の夏」の思い出づくり
ナンシー・ペロシ米下院議長が8月2日に台湾を電撃訪問した。と言っても、事前にペロシ訪台自体はリークされていたため、米国側も中国側も最低限の準備が整った上での訪問であった。ペロシが下院議長の地位にいられる夏は今年が最後であろう。11月の連邦議会中間選挙では共和党下院勝利は固い見通しとなっており、下院民主党の敗北を受けてペロシが議長職を失うことはほぼ確実な情勢だ。負け方によっては80歳を超えるペロシは下院民主党での指導的立場すら手放すことになり、その政治生命が事実上終わりを告げることになる。その最後の夏の思い出づくりに選ばれた場所が「台湾」であった。
ペロシにとっては自身の政治キャリアの有終の美を飾ること、そして苦しい中間選挙で少しでもポイントを稼ぐことなどの意図もあったことだろう。もしかしたら、民主主義陣営のイデオロギー的な結束を示すという崇高な理念もあったのかもしない。しかし、そのために東アジアに生きる多くの人々を巻き込む一触即発の事態を引き起こしたことはいささか軽率であったように思う。
ペロシ訪台によって急きょ動員された米軍は、迎え撃つ中国軍の圧力に跳ね返されて、1996年第三次台湾海峡危機と同じように台湾海峡に自国空母を侵入させることができなかった。これは中国の軍事力の伸長を暗に示唆することになってしまった。一方、中国側もペロシ訪台を阻止することができず、面子が潰れた形となった。中国は強気な戦狼外交が、米国に対して無力の裏返しであったことが暴露されて赤恥をかかされたことは疑い得ない。唯一、中国国内の世論の沸騰をコントロールできたことは、習近平政権にとっての成功で、ホッと胸を撫で下ろしたことであったろう。