お先にライフシフト

第1回 超長寿時代の予言書『LIFE SHIFT』のエッセンスを学ぼう

豆原 里芽
お先にライフシフト

この連載では「100歳を超えて長生きするのが当たり前の時代になったら、ライフスタイルはどう変化するのか」と「自分は人生100年時代をどう生きたらいいか」を考えていきます。

目次

「ライフシフト」とは人生が変化すること

皆さんは「ライフシフト」という言葉を聞いたことがありますよね?

「ライフシフト」とは生き方を変えるという意味であり、シリーズ累計50万部を売り上げたベストセラー本のタイトルでもあります。

※『LIFE SHIFT(ライフ・シフト) 100年時代の人生戦略』は、日本では2016年に訳書が出版され、2021年11月には実践編『LIFE SHIFT2』の訳書も出版されました。「まんが版」や分かりやすく解説した「超訳版」も出ています。

本の著者の一人、リンダ・グラットンさんは、内閣府が立ち上げた「人生100年時代構想会議のメンバーに選ばれて、日本の少子高齢化社会への対応策などにアドバイスを行いました

また、度々来日して講演会やインタビューに応えるなど、日本で「ライフシフト」の考え方を広げる活動も精力的にされています。

2016年の出版以来、この本の人気が日本で衰えない理由は、

  • 終身雇用制はいつまで続いていくのだろうか
  • 年金は本当に支払われるのだろうか
  • 今までの生き方がこれからも通用するのだろうか?

など1970年以降に生まれた世代なら誰もが直面する問題を、あらゆる視点から考えさせる内容だからです。

もちろん「ライフシフト」は筆者にとっても他人事ではありません。私も、この連載を通じて一緒に「100年生きるための準備を始めていきたい」と思っています。

長寿化によるライフシフトの重要性

前章でお伝えしたようにライフシフト」が必要とされる理由は、私たち人間が確実に長寿化するからです。

『LIFE SHIFT』には、2007年に日本で生まれた赤ちゃんは107歳まで生きる確率が50%ある」、というデータが載っていますが、このことは次の厚生労働省のデータを見ても分かります(下表)。

A.寿命中位数の年次推移(完全生命表)                   (単位:年)
年次
1970 73.10 78.19
1980 76.69 81.75
1990 79.13 84.71
2000 80.74 87.41
2010 82.60 89.17
2020 84.51 90.55
B.0歳の平均余命
西暦
2020 81.56 87.71

※厚生労働省「第23回生命表」より一部引用。「寿命中位数」は、出生者の50%が生存すると期待される年数。例えば2020年の時点では、その年に生まれた赤ちゃんの半数が「男性は84.51歳」「女性は90.55歳」まで生きると予想されています。

表を見ると、寿命中位数は10年間で平均2.4年ほど延びています

このペースが今後も続くとすると、2007年生まれの子供が100歳になる時(2107年)の寿命中位数は110歳を超えることになるため、LIFE SHIFTの「2007年生まれの子が107歳まで生きる」という予想がキテレツではないことが分かります。

日本人が生きる年数を着実に伸ばしていることを実感しますね。

ライフシフトを実践して幸せな時間を増やそう!

それでは、多くの人が100歳を超えて生きる長寿化社会には、どんな問題が生じるのでしょうか

真っ先に思い浮かぶのは「老後を過ごすためのお金は足りるのか」ということ。

60歳を超えて働き続けることによって「働き方の変化」も起こります。

さらに『LIFE SHIFT』では、お金や家などの「有形の資産」だけを持っていても、長い人生を幸せに生きることが難しくなる。人生の時間が大幅に増えた分、人とのつながりや生きがいなど心を豊かにしてくれる無形の資産が重要になると述べられています。

また人生100年時代は、一人ひとりが多様な選択肢の中から生き方を選ぶ時代になるので「こうすれば正解」というような、誰にでも当てはまる「人生モデル」を示すことはできなくなるとも言われています。

したがって時代を先取りしている人の生き方や考え方を知ったり、これからの時代に必要な知識を学んだりすることを通して、自分自身が残りの人生をどのように「ライフシフト」していきたいか考えなければいけないという問題が生じるでしょう。

◇          ◇          ◇

超長寿になって幸せな時間が増えるか、苦痛と共に生きる時間が増えてしまうのか、自分の選択次第で大きく異なる時代がやって来ました。

筆者には「これがしたい!」と自信をもって言えるほどの夢や目的、誰と時間を過ごしたいのか、というイメージがいまだにありません。

この連載を読んで「人生100年のイメージを作る旅」に一緒に出掛けてみませんか。

【参考文献】
『LIFE SHIFT』リンダ・グラットン アンドリュー・スコット著 池村千秋訳 東洋経済新報社刊

豆原 里芽

フリーライター。銀行・生保・会計と経験した金融業界における横断的キャリアを生かして、分かりやすいお金の話を日々研究している。FP2級。日商簿記2級。楽しい投資、資産形成が理想。好奇心旺盛で、趣味は旅行。

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