羽生結弦から溢れる戦闘本能、最高傑作「ファントム」を見たか…極限まで削ぎ落とした肉体と精神が生み出した「最強戦士」

絞りに絞った羽生結弦の「ファントム」
そして、ファントムは再臨した。
3月30日、東和薬品ラクタブドーム「スターズ・オン・アイス」大阪公演に、ファントムは再び降臨した。
羽生結弦『オペラ座の怪人』(The Phantom of the Opera)、通称「ファントム」。
公演の大トリを飾った羽生結弦のプログラムは、まさかの「ファントム」だった。
あの宮城「notte stellata」から幾何(いくばく)もなかったはずなのに、羽生結弦の頬は少し痩(こ)けているように思えた。肉体を絞りに絞ったファントム。おかしい。「プロローグ」「GIFT」そして「notte stellata」と駆け抜けた羽生結弦の表情はおだやかで、祈りに満ちていたはずだった。
最強戦士の命を削るような飛翔
いや、おかしくなんかない。
そうだ。羽生結弦はアスリートだ。