規模は億単位…なぜ羽生結弦は寄付を続けるのか。真正面に大好きなフィギュアスケートと愛する人々のために
震災に苦しんでも、私欲もなく、人々のために尽くした
羽生結弦はそれそのままに、意識することなく、ただ「みんなの幸福」のために、その善き行いを通しての自己実現という最高善=みんなの幸福、として尽くしてきた。
誰がなんと言おうと『蒼い炎』とはそうして続いてきた。この事実は決して揺るがない。
この事実は本当に尊く、私は2011年から2012年、震災に苦しみながらも大好きなスケートに打ち込み、私欲もなく、人々のために尽くした尊い10代の青年がいたこと、そんな彼がいま、フィギュアスケートの歴史にとどまらない偉人として歩み続けていること、そして多くのプログラムでプロになったあとも人々を楽しませ、驚かせ、そして幸せにし続けていること、このすべてをたまらなく尊く思うし、その羽生結弦の思いと行いは多くの人を救い続けてきたと確信している。
そのエッジに心が宿り、氷が彼を祝福し続ける
私の岩手に嫁いだ妹も被災し、お腹に命を宿したまま車中生活で夜をしのいだ。羽生結弦もその日、不安のままに停電の街で星空を見上げた。私の妹がお腹の命に希望を託したのと同様に、羽生結弦もその星々に希望を見た。誰の心にも「notte stellata」(満天の星)がある。女の子は無事に生まれていま12歳になった。羽生結弦は多くの人々に「GIFT」(贈り物)を届け続けている。身内の小さな話を出してしまって恐縮だが、誰しもにそれぞれの希望という星があり、それは大小や上下、貴賤の問題でもないということを言いたかった。羽生結弦という存在がフィギュアスケートを通して、その活動を通して伝えていることは社会に通じる、人間に通じる。事の大小ではない。だからこそ多くの人の心を揺さぶる、そのエッジに心が宿り、氷が彼を祝福し続ける。それが羽生結弦には「社会性がある」という証左である。ゆえに彼は「時代の子」であり、歴史に選ばれている。