え、インターの授業料が500万円だって!? 海外大志望のJK、SNSで「毒親非難」連発の末路…幼児英語洗脳DVDの罪 連載タワマン文学「TOKYO探訪」芝浦

ハイハイする娘に英語DVDを無理やり聞かせてきた
「親は日本の大学の学費しか出さないって…でも海外大の夢、絶対に諦めたくないです!」。増え続けるいいねとRTの数をぼんやりと数える。身の丈に合わない夢なんて見ない方が幸せだ。そんな当たり前のことを伝える大人はそこにいない。芝浦の中流家庭で暮らす私の娘、里奈はどこで勘違いしたんだろう。
これからの時代、英語だけは身に付けなければ――。おうち英語なんて言葉もスマホもなかった時代。幼児向けの英語教材のDVDをせっせと買ってきて、ハイハイする里奈の前で毎日かけ流した。ECCジュニアにも通わせた。小学4年生で英検準2級に合格し、満面の笑みでピースをする写真。あの頃は平和だった。
英語教育に力を入れる新興系の中堅進学校に入学し、帰国子女の同級生に囲まれて模擬国連だ、ディベートだと頑張る里奈を最大限サポートしてきた。一人だけカタカナ発音で恥ずかしいと相談された夜、発音矯正教室を探した。夏休みはアメリカのサマースクール。数十万円かかっても、娘のためなら惜しくなかった。