麻布、灘超えの年東大合格者数100名。下剋上!聖光学院大躍進ウラ側をOB暴露「自分が親なら聖光に通わせたい」

 2024年度の大学受験において衝撃が走った。

 東大合格者数ランキングトップは43年連続の開成(東京)だったが、聖光学院(神奈川)が100人とトップ3入りがほぼ確実となっている。これは麻布、灘など近年の東大合格者数上位校を上回る数値だ。

 さらに、卒業生に占める現役合格者数の割合は、驚異の37.5%。これは開成の29.1%を上回る。

 これまで聖光学院は堅実に結果を出している進学校ではあったが、トップオブトップの位置にはなかった。

 聖光学院はなぜこれほどまでに躍進できたのか。その背景に迫る。

目次

「いま、親がもっとも子どもを入学させたい学校」

「OBの僕から見ても、聖光学院はいま、親がもっとも子どもを入学させたい学校だと思います」

 そう語るのは、現在はベンチャー企業のCEO、聖光学院OBで、東大文科二類に入学した30代OBだ。

「私が高校のころは同じく神奈川の進学校・栄光学園のほうが進学実績は上でした。その点を考えると、この20年で聖光学院の改革が成功しているのだと思います」

 一体、聖光学院に何が起きたのか。

都内からも生徒が通う

 実はここ数年、聖光学院は中学受験においても神奈川私立男子御三家(聖光学院、栄光学園、浅野)の中で最難関の偏差値となっている。

 四谷大塚調べによると、栄光学園中、浅野中が偏差値は60台に留まる中、聖光学院中は70台となっている。つまり、聖光学院中の偏差値は開成や灘と同クラスであり、中学受験においても最高峰に到達していることがわかる。

「塾いらずの聖光」と呼ばれるほど

 別の30代OBが語る。

「聖光学院では塾に通っている生徒はほとんどいません。『塾いらずの聖光』と呼ばれるほどに学校の勉強だけで受験対策が完結するからです」

 聖光学院では高校2年生までに全過程の学習が完了し、受験対策へと移行する。授業は一般的な講義形式であるが、実力派の教員が生徒の意欲・学習力を向上させることに余念がない。

「開成や灘など、難関高校には各学年に名物先生がいるものですが、たとえば私たちの代が習った英語の荻江先生は座学の授業の中でも生徒に積極的に発言をさせることで有名でした。そして、授業で積極的に英語で発表できているのかが定期テストの点数に影響します。発言の点数は実に4割にも及びます」

 つまり、聖光学院の強みは、ただ受験に向けたカリキュラムをこなすだけでなく、実力派の教師による手厚いフォロー体制にあるのだ。

 さらに、教師の実力に加え、聖光学院ではここ10年で質の高い教育が行えるインフラも整備されてきた。2014年に新校舎が竣工され、職員室は中の様子が外からわかるガラス張りとなり、相談スペースや面談室も充実したという。

 生徒との距離を縮めることが狙いであったが、その効果はてきめんで、職員室には質問のために活発に生徒が訪れるという。

「科目によっては、自分のクラスの担当以外の先生にも質問することは珍しくありません。そうなると、自分に合った先生に相談できるので、いよいよ塾と聖光の違いがわからないですね」(30代OB)

 まるで塾のように相性の良い教員のフォローで弱点や不明点を克服できる環境が聖光学院にはあるのだ。

工藤校長は何をしたのか

 そんな聖光学院であるが、かつても神奈川の名門進学校ではあったものの、今のように抜きんでた合格実績を達成しているわけではなかった。

 現在の聖光学院を語る上で欠かすことのできない存在がいる。それが現校長の工藤誠一氏だ。

 工藤氏は2004年に校長に就任。それまで聖光学院の東大合格者数は例年20〜40名程度だったが、徐々に数字を伸ばし現在の約100名にまで至っている。

 実は工藤氏の就任前の聖光学院は今よりも受験を意識した学業第一の高校であった。それを工藤氏は「勉強だけでは成績の伸びに限界がある」と考え、各種施策を実施したのだ。

 中学生段階ではキリスト教の精神に基づく人間教育や芸術教育などの情操教育にも力を入れ、また、学校公認でeスポーツやジャグリングなどの同好会も設置。その他にも「聖光塾」と呼ばれる体験型教育も充実している。

 また、全生徒にデジタル端末「Chromebook」を提供し、情報の授業の中でプログラム言語「Python(パイソン)」を学ぶ。オンライン英会話「レアジョブ英会話」によって実用的な英語の習得にも意欲的だ。

 このように工藤氏は受験勉強一本ではない学びの充実に力を入れている。もちろんそれだけでなく、先の職員室改革のように本業の受験勉強でより成果の上がりやすい環境も整えている。自前の印刷室があるのも聖光学院の特徴で、教員は独自の教材を制作し授業に臨むことができる。

愛校心の強さも、進学実績が伸びている要因か

 なお、この工藤氏も聖光学院OB。

 工藤氏の他にもOBが教員となり母校に戻るというケースが多いという。

「自分の代の同級生も聖光で教員をしています。ふたりとも高校時代から優秀で、東大に進学しました。愛校心は強いと思います。自分が親なら聖光に通わせたいですね」(30代OB)

 同じ釜の飯というわけではないが、同じ学び舎で育った者同士では連帯感にも違いが出るだろう。

 こうした愛校心の強さにより、聖光学院では優秀な教員が育ち、進学実績の再生産が可能となっているのだ。

 来年は東大合格者数のさらなる飛躍と、中学受験の大幅難化が予想される聖光学院。その実力はもはやホンモノと言ってよいだろう。

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