「実質週休2日制なのに…」なぜ週休3日制を選択する人は会社で嫌われるのか
日本マイクロソフトやヤフー、日本IBM、みずほフィナンシャルグループなど名だたる大企業が次々と導入している週休3日制。政府が推し進める働き方改革の一環としても注目されており、導入によってワーク・ライフ・バランスの実現が見込まれている。
ただ、自分の会社が週休3日制を制度として導入すれば、ワーク・ライフ・バランスが実現できると考えるのは大きな勘違いだ。
「フレックスタイム制」を思い出してほしい。勤務時間を労働者が一定の枠内で自由に決められる画期的な制度で、1988年から日本では導入が始まった。しかし、なかなか普及が進まず、現在でも導入率は9.3%にとどまっている。導入が進まず、結局廃止した企業も多くあった。その主な理由は「全員が顔を合わせなければ情報伝達がしづらく、作業効率が落ちる。結果的に顧客満足が低下する」からだった。
ここから分かるのは、制度だけ先取りしても働き方が変わっていなければ、もっといえば、働き方を「変えよう」としなければ、長続きしないということだ。週休3日制もおそらくそうなるだろう。
ワーク・ライフ・バランスの欺瞞
週休3日をはじめ、労働の自由度を高め、働く時間をコントロールしやすくする制度が話題に上がると、念仏のように唱えられる「ワーク・ライフ・バランス」。日本社会は「ワーク・ライフ・バランス」の信奉者なのでは?と思うくらい、頻繁に登場するドグマだ。
では、「ワーク・ライフ・バランスって何?」と尋ねられたら、あなたはどう答えるだろう? 「なに馬鹿なことを言っているんだ。仕事と生活のバランスに決まっているだろう」と答えるかもしれない。
でも、ちょっと考えてみてほしい。