激務で定年数年前に退職、インストラクターから介護の道へ…自衛官再就職の問題点

離職率の高さ、慢性的な人員不足、度々報道されるパワハラ・セクハラへの対応…。自衛隊には数多くの「人」にまつわる問題がある。そしてその中の一つに、「再就職」も挙げられる。防衛大卒のライター松田小牧氏が、自衛官の再就職に横たわる問題について語る。
※本記事は松田小牧著『定年自衛官再就職物語―セカンドキャリアの生きがいと憂鬱―(ワニブックスPLUS新書)』から抜粋、再構成したものです(全6回中の6回目)。
第1回:法律で50代での定年を強いられる自衛隊、「年収1000万円でもうらやましくない」将官の“その後”の人生の末路
第2回:50代定年の自衛官、再就職で年収700万→100万円台の地獄…早期離職も多い過酷な現実「気が付けば金なくなってた」「思ってたのと違う」
第3回:55歳定年の元自衛官、フリーエンジニアに転身!65歳から年収を上げられた理由…厳しい自衛隊再就職の現実
第4回:戦闘機パイロットが再就職後に直面する現実…さらに厳しい“再再就職”の壁
第5回:元自衛官の再就職先NO.1「警備員」の実態…将官も幹部もなぜ警備会社を選ぶのか
目次
激務で退職、フリーのインストラクターへ
2016年、定年数年前に1尉で退官した松浦梓氏(仮名)。自衛隊生活は楽しかったが、それでも定年わずか数年前に自衛隊を辞したのは、「あまりにも過酷すぎる環境のため」だった。近年、自衛隊に任される業務は増加の一途であるにもかかわらず、人員は一向に充足しない。現場の悲痛な声は筆者もよく聞くところである。