「無力感も感じる。何もできていないって感じる。僕は何ができたのかな」…刻を経て、羽生結弦は能登に現れた。それが私たちの、信じる人

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無力感も感じる。何もできていないって感じる。僕は何ができたのかな
羽生結弦の選んだ場所は、華やかなファンションの地でも、きらびやかなお披露目の場でも、称賛される発表の場でもなく、半ば忘れられた――決してそうであってはならないのに、忘れ去られようとしている震災の地、能登だった。
普段の羽生結弦のままに、いまだ厳しい震災の地、能登にいた。
金メダル二つを、手に。
羽生結弦はソチ五輪、自身の金メダル獲得にこう語っている(※1)。
「僕一人が頑張っても、復興に直接、手助けになるわけじゃない。無力感も感じる。何もできていないって感じる。僕は何ができたのかな」
「金メダリストになれたからこそ、ここからがスタートだと思う。金メダルを獲ったことで活気づいてくれたらうれしい」