実はお買い得!不動産評論家が激推し「石神井公園」の秘密…何かと困らない街!人口構成が若く、現役世代が多い

東大卒不動産評論家の牧野知弘氏が「自ら住みたい街」について語る大好評連載の最新回は、「石神井(しゃくじい)公園」がターゲットだ。「現役世代が多く、都心からも近い。マンションも6000万円台から手に入るお買い得な街だ」というーー。
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石神井公園駅は、毎年桜並木に花見客でにぎわう
西武線沿線でちょっと気になる街があります。西武池袋線「石神井公園」駅周辺です。このあたりは練馬区。町名でいえば石神井、石神井台、上石神井、下石神井あたりになります。駅名になっているとおり、この駅から徒歩7分のところに石神井公園という大きな都立公園があります。この公園をシンボルに街並みが広がっていることに特徴があります。
駅が開業したのが1915年(大正4年)。武蔵野鉄道(現西武鉄道)の敷設によるものです。駅ができた理由は、石神井公園内にある三宝寺池が景勝地だったことです。この池は武蔵野市にある井の頭池、杉並区にある善福寺池とともに武蔵野三大湧水池とされ、江戸時代から多くの人がこの池に遊びに来ていたのです。三宝寺池周辺には厳島神社、石神井城跡など由緒正しい史蹟があります。石神井城は室町時代に豊島泰経が治めていましたが、太田道灌によって攻め滅ぼされ、現在では城跡のみが残されています。彼の最期に後を追って三宝寺池に身を投げた二女照姫の悲劇は多くの人たちによって語り継がれ、今でも毎年4月の第4週目の日曜日に照姫まつりが開催されています。
1930年には風致地区に指定され、三宝寺池の東側にはあらたに人工池である石神井池を整備、1959年に石神井公園としてオープンしました。三宝寺池は三宝寺池沼沢植物群落として国の天然記念物に指定されるなど自然の野趣にあふれる池であるのとは対照的に石神井池は別名ボート池と呼ばれ、池周辺には野球場、テニスコート、プール、芝生広場、野外ステージなどが整備されています。私は杉並区内の高校に通っていたので、放課後はよく自転車で遊びに来て、仲の良かった女子とボートに乗って遊んだりした記憶があります。
石神井川沿いを歩くのもおすすめです。川沿いに遊歩道が整備され、毎年春の桜の季節には桜並木にあふれんばかりの花見客でにぎわいます。
商業施設「エミオ石神井公園」や商店街「パークロード石神井」などもあり、買い物には困らない街
さて石神井公園というキラーコンテンツのある街、石神井はどんな街でしょうか。石神井駅が大きく生まれ変わったのが2012年に完成した線路の高架化です。高架化に伴って古びていた駅舎が生まれ変わり、高架下には北口と南口をつなぎ、東西に長く伸びるプロムナードを整備。商業施設「エミオ石神井公園」にはアパレルや飲食、雑貨などの多彩な商業店舗のほかくつろぎスペース、生活サポート施設を備え2017年にグランドオープンしました。
南口には「パークロード石神井」という商店街が広がります。ここには多くの物販店、飲食店が軒を連ね、買い物に不便することがありません。西武線沿線としては珍しく駅前ロータリーもあり、街中商店街を散策しながらその先に美しい公園が広がるというなかなか良い雰囲気をもった街です。
池袋まではわずか11分、練馬インターも近く車移動も便利
交通利便性はどうでしょうか。石神井公園駅からは西武池袋線快速急行で池袋まではわずか11分です。池袋経由で埼京線を利用すれば新宿まで28分、渋谷まで35分。東京メトロ有楽町線乗り入れで有楽町には38分です。都心各地への交通利便性はかなり優れていると言えるでしょう。また東京メトロ副都心線を利用して横浜方面にアクセスすることも軽快になりました。