衝撃!筑波大医「推薦入試が半分」…医学部に行く学生が「小学生時代にやっていた体験リスト」中受勝者が大学受験では敗者に!

中学受験で成功するかどうかはもちろん重要だが、結局その先にある大学受験が本番、という見方もある。
医学部推薦入試の専門家であるリザプロ株式会社代表取締役の孫辰洋氏は「医学部推薦入試の世界では、小学生時代に何をするかが重要です。そのため、中学受験に打ち込みすぎると、医学部推薦入試では不利になることもあります」というーー。みんかぶプレミアム特集「一発逆転の中学受験」第2回。
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中学受験で成功できる家庭はやはり例外
みなさんは『翼の翼』(光文社)という小説をご存知でしょうか。初めは軽い気分で中学受験界隈に足を踏み入れた親子が、迫り来る受験という壁を前に狂気に飲まれていく小説です。
実際、中学受験となると、子ども自体の意見よりも親の意見で中学受験をさせるご家庭が多いと思います。そうなると、やる気を出させるのは親の仕事となり、当然子どもにハッパをかけることになります。
そこで伸びる子どもは、やはり例外です。
高いポテンシャルがあれば、上位校から東大や京大、一般受験での医学部合格も学力次第では可能でしょう。ただ、我が子が平凡だと悟ったその時、果たして子どもに無理をさせてまで中学受験にしがみつく意味はあるのか、というのが実情ではないでしょうか。
まして、親が子どもに過剰な期待とプレッシャーを押し付けてしまうせいで、子どもはだんだん壊れていってしまうのです。ギスギスすることも日常茶飯事となってしまった、というご家庭もあるでしょう。その結果、中学受験自体から撤退せざるを得なくなったりすることもあります。
仮に中学受験を乗り越えても待っているのはさらに上のレベルでの競争です。大学受験や就活での競争に抗う力が残っておらず、いわゆる「深海魚」(進学校で落ちこぼれて浮上できない生徒)になってしまい、結局大学受験でよい結果を残せない、ということも少なくありません。
筑波大医学部(医学群)はその枠の半分が推薦型選抜
そこまでして中学受験を過熱させる意味はあるのか、という部分を本記事は問います。実は現在の受験事情は大きく変化しており、推薦型選抜の割合が急激に増加しています。例えば、筑波大学医学部(医学群)ではその枠の半分が推薦型選抜です。
そこで必要なのは学校での評定と共通テストレベルの学力、そして英語資格試験のスコアです。これに対応できれば、これまでとは全く違った受験戦略が可能になるでしょう。本記事では、「中学受験」から「医学部推薦入試」に至るまでの流れを、小学生の段階からどのように準備すれば良いかについて考えてみたいと思います。
医学部推薦入試で求められるもの…生徒のレベルが高い学校に行くと不利になる
医学部の推薦入試にはさまざまな種類がありますが、大きく分けると以下のような要素が求められます。
まずは学校の成績、評定平均です。推薦型入試では、学校での成績が重要視されます。例えば、横浜市立大学医学部特別公募型学校推薦型選抜では評定4.3以上でないと出願すらできません。この場合、無理してレベルが高すぎる学校に滑り込んで中学受験を終えたパターンとの相性は最悪です。周りのレベルが高く、評定がとりにくいためです。これについては詳しく後述します。
英語資格試験のスコアについてはどうなのか
英語資格試験のスコアも重要です。筑波大学医学部(医学群)やその他多くの国公立大学医学部では、TOEFLや英検といった英語資格試験のスコアが評価の対象となります。海外文献を読む力や国際的な場でのコミュニケーション能力を重視する医療の現場を見据えた要件です。
横浜市立大学医学部などでは加点制になっており、英語ができればできるほど有利になります。つまり、ここでも英語以外の学力(算数や国語)で勝負する中学受験とは相性が悪いのです。幼少期から英語の訓練をするのが肝要だと言うことになるでしょう。