東大合格者数を爆伸びさせた埼玉県の進学校3選…え、四谷大塚偏差値40台なのに!超ハイコスパ校はどこだ

「公立王国」として知られる埼玉県。そんな埼玉県の高校序列に変化が起きようとしている。2025年に東大合格者数を爆伸びさせた埼玉県の進学校はどこなのか。学歴活動家のじゅそうけん氏がレポートするーー。みんかぶプレミアム特集「天才の育て方」第3回。
目次
公立男子校、公立女子校が集中していた埼玉県
「公⽴男⼦校」「公⽴⼥⼦校」と聞いてどれだけの⼈がピンとくるだろうか。
公⽴別学校は全体の7割が埼⽟県、群⾺県、栃⽊県の3県に集中し、中でも最多は12校が現存する埼⽟県だ。少⼦化や男⼥共同参画の推進などを背景に、全国各地で減少しつつある。
埼⽟県では、かつての東⻄南北の学区制の名残もあり各地域のトップ校でそれぞれ男⼦校・⼥⼦校が存在する。
その影響もあってか、未だに公⽴信仰が強い。栄東⾼校や開智⾼校といった私⽴の進学校は、⾼校受験においてはあくまで「滑り⽌め」的な⽴ち位置である。
応援団や体育祭など、いずれも独特の伝統を残しながら地域に根付き、筆者より2世代ほど上の先輩⽅からすれば、「東⼤より浦和⾼校の⽅が褒めるに値する」といった具合だ。
ところが今後、埼玉県立高校の共学化が推進されていく
しかし、現在の埼⽟県内ではその伝統的な別学進学校に逆⾵が吹き荒れている。
埼玉県男女共同参画苦情処理委員が、男女差別をなくす観点から「県立高校の共学化を早期に実現すべきだ」と日吉亨・県教育長に勧告したことを発端に議論が勃発した。
そして2024年8⽉、時期こそ明⽰されていないものの、埼⽟県教育委員会は「県立高校の共学化を推進する」と発表したのだ。
議論の是⾮について、筆者は明⾔を避けるが、埼⽟県の公⽴進学校の伝統が失われるのは学歴界隈の住⼈としては⼀抹の寂しさを感じるものだ。
⼤多数の読者に関係のないニュースで前段が⻑くなり恐縮だが、今回はそんな逆⾵の中、東⼤合格者を伸ばし意地を⾒せた埼⽟の公⽴別学校を紹介していきたいと思う。
東大合格者数41名と埼玉県立高校王者の意地を見せた浦和高校
逆⾵の中意地を⾒せた埼⽟の公⽴校その1は、県⽴浦和⾼校だ。
過去には2015年と2019年の2度全国の公⽴校で東⼤合格者1位を獲得したこともある本校は、本年も合格者数41名と例年40名前後を安定して叩き出しており、東京都⽴⽇⽐⾕、神奈川県⽴横浜翠嵐などと並ぶ全国有数の公⽴進学校だ。
他にも、2025年度の実績において、国公立医学部合格者数21名、一橋大15名、東京科学大8名、早慶170名合格と素晴らしい実績を残した。
周辺地域の地価にも影響を与える浦和高校
そんな浦和⾼校は⻑年県内の王者として君臨しているだけあり、県内での⽴ち位置は誉⾼いものがある。
実際、埼⽟の⽂教地区と呼ばれる浦和区の中でも本校進学者の多い、さいたま市⽴常盤中学校や岸中学校は「名⾨」とされ、浦和⾼校や浦和第⼀⼥⼦⾼校へと進学するルートは、かつてから「王道」として名⾼い。
不動産業者にとっても学区内の物件は⼤きなセールスポイントとなっており、本校の存在は周辺地域の地価にまで影響を与えるほどだ。
ラグビー部は花園、陸上競技部はインターハイ、クイズ研究会は全国優勝と部活動もすごい
そんな本校だが、屈指の伝統校だけあり様々な独特の特徴を持っている。
それらは⼤学受験で最短最速で成果を残す上での「最適解」ではないかもしれないが、逞しい浦⾼⽣を育んできたのも事実だ。
まず、校則が存在せず、⽣徒の⾃主性に任せた学校運営が⾏われていることは⼤きな特徴だ。
公⽴伝統校としては珍しいこの特徴は、学校側の⽣徒への信頼がうかがえる。
そのような校⾵だけあり、⽣徒たちは3年間好きなものに夢中になれる。
その裏付けとして部活動でも県内上位に⾷い込むケースが⾒られ、近年では2013年と2019年にはラグビー部が留学⽣も多くみられる私⽴強豪校を倒し花園へ出場、陸上競技部もインターハイに出場、クイズ研究会は本校の知名度を⼤きく向上させ、過去には3度の全国優勝の経験を持つ。