中学受験専門家がぶっちゃける「小6の2月までに必ず完璧にしておいた方がいいこと」なぜ小5が一番大切か

「中学受験は小5が天王山だ」「小5が学ぶ内容も量も多く、一番大変だった」
塾関係者、受験を終えた家庭でそう語る人は多い。
毎年、数多くのトップ校合格者を輩出し、算数・数学教育に詳しいmath channel(マスチャンネル)の滝澤幹氏は次のように語る。
「中学受験で塾通いをする小4〜小6の3年間のうち、小5は新たに学ぶ単元がもっとも多いのです。それぞれの単元の難易度も高く、習得に時間がかかります。受験生にとって大きな試練の場であるのは間違いありません」
中学受験で出題されるほとんどの単元は小5で習うため、その習得率によって志望校の合否が決まると言っても過言ではないと滝澤氏。
小4のうちからやっておくべきことは何か、小5で心がけるべき学習、そして小6で「重要単元のやり残し」を取り戻す方法は何か。プロの視点から、すぐに役立つアドバイスを語ってもらった。全3回の第3回。
目次
小6の「2月」までに基礎を仕上げる
「小5で受験に必要な単元のほとんどを学ぶ」
そう聞くと、「5年生のうちに頑張らないと受験に失敗してしまうのではないか」「小5のやり残しが多いから、志望校に受からないのではないか」と心配になる親は多いかもしれません。
しかし、そう考えるのは早計です。実は小5の学習内容をその時に完璧にできている家庭は、ほとんどいません。大事なのは小5で習った内容を、小6の2月までにどれくらい完璧に仕上げられるかです。
そこで基礎をある程度仕上げられれば、中堅校には合格できます。小5で習った学習を完璧にできれば、開成・筑駒などのトップ校以外は十分合格圏内に捉えることができます。
つまり、小5で習ったことを丁寧に仕上げていく意識を持って欲しいのです。習った直後はわからなくても、何度か問題を解いたり、「割合」でわからなかった問題が「比」を習うことで理解できるようになったりすることもあります。
難易度の高い学習に入っているので、無理にその時々の小テストなどに向けて詰め込むのは避けた方が良いでしょう。塾では小6に入ってからも、小5で習った単元の復習や応用を繰り返すので、その過程で理解が深まる可能性も十分あります。
そもそも、小テストに向けて詰め込んで高得点を取れたとしても、1ヶ月後には忘れてしまうことだってあります。焦る必要はありません。
「全部完璧にしなきゃ」と詰め込むよりも、「ここは後で比を使えば理解できるから、今は軽く流そう」と割り切るほうが正解です。「今できないこと=永遠にできないこと」ではないので、あまり細かいところにこだわりすぎず、長い目で見てあげてください。